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2010-12

話が違うじゃないか

朝起きたら枕元にピアノが置いてあると確信していたのに、グリーンランドからの使者はやってこなかったみたいだ。おかしいな、noradの追跡結果では、京都に滞在している事になってるんだが。

クリスマスなのにゲーム談義

メシ食いながらもずっと話す。

クリスマスイブというのにA君が来訪。一緒に昼食を食って、仕事をする。一緒に仕事をするのは2か月振りくらいか。進捗具合を見せて貰い、色々と意見を交わす。他社製のゲームなんかを触りながら、iPhoneでのアクションゲーム作りの難しさなんかを話し合った。夏頃にリリースの予定だが、やる事も沢山あるようで、しっかり気合を入れないとちょっとヤバいという話もしていた。

最近話題のKinectの話もした。主に上記の、先輩naoさんが作った動画についてだが。このワイヤフレームとミク、naoさんなんよなあと言う話になって笑った。相変わらずハンパ無い技術力よなあと二人で驚いていたが、「これ、何でも出来そうで実は弱点があるんよ、いずれみんなぶつかる壁やと思うんやけど、解る?」とA君が謎かけしてきた。しばらく考えたのだがギブアップ、答えは「走り回れない」。ハッとした。狭い部屋でプレイしていたら、歩き回る事すら困難なのだ。

さて、ようやく今日の本題に入る。『どうやったら面白いゲームを作れるか』。どうやら過去の作品について、どうやったらそんな『面白い』ゲームが作れるのかと質問を受けているらしい。正直、答えるのに困る質問だ。A君は典型的な『頭の回転が速いけど言葉にするのが苦手な人』なので、余計に困っているらしい。面白そうなので、二人でどうやって説明するか考えてみた。

以降、時系列でまとめずにダラダラ書く。どんどん脱線していくので注意。

身も蓋も無い言い方をすれば、色んな経験をして、色々考えて、色々試していくうちに『面白さ』に近づいていくんじゃないか、と。引き出しや視点が多ければ多いほど可能性は広がるという話だ。何の面白味も無い答えだし、ゲーム制作以外にも当てはまる話なのだが、端的に言えばこれが一番正解に近いと思う。でもこれじゃ、大抵の人は納得しないだろうし、質問者もガッカリするだろうなあという話なった。じゃあ、『面白さ』とは何なのか。

僕が最初に感じたA君のゲームの『面白さ』、それは操作の気持ち良さだった。左右の移動、慣性、ジャンプの軌道、カメラワーク。どれを取っても良く作り込まれていて、触っているだけで楽しい。今まで何度もプロトタイプを触らせて貰ったが、ロクにステージが出来ていない状態でもキャラクターを操作しているだけで気持ち良く、『面白い』のだ。学生時代、A君が「ジャンプの軌道ってホンマに大切なんよ」と言っていた事が思い出される。

操作の気持ち良さを語る上で、避けては通れない超名作『スーパーマリオブラザーズ』。ジャンプ中の微妙な左右操作について、やたら盛り上がった。『スーパーマリオ』以前のファミコンソフトで、こういう微妙なジャンプ制御が出来るゲームは無かったんじゃないか(後で調べてみると、自由度は低くなるが元祖はアーケード版『パックランド』らしい)。

メモ。

どうやってこの微妙な操作感は生まれたのか。A君が熱く語る。「当時のゲームはジャンプ中、操作が不能になる(ドンキーコング・アイスクライマーetc)か、地上を歩くのと同じ速度で制御する(スーパーアラビアンetc)ようになってたんよね。単純に考えたら、このどっちかの形でプログラムを組むのが自然やと思う。だから『スーパーマリオ』のジャンプは革命的」「この微調整、多分ジャンプ中に土管に横からひっかかった時に思いついて拘りだしたんじゃないかと思うんよ。そうせんと土管間近でジャンプした時、乗り越えられんやん?」と。おお、面白い推論だ。僕も昔はプログラミング小僧だったので、単純なジャンプ制御の件は想像出来たが、土管の話は思いつかなかった。

この他にもA君は、「スーパーマリオ時にダメージを食らうと、小さくなる時に少しだけ前にスクロールする」「マリオが直立している時にガニ股なのは、足元の当たり判定の端を解りやすく為」といった事を指摘した。こういう親切や気持ち良さって、多分直にゲームと触れ合えるプログラマ側に立ってないと見えてこないと思うし、簡単に調整出来ないと思う。『ゲームとコミュニケーションを取る』と言えば良いのか。

直にゲームと触れ合えるという事は、プログラマ側にとって最大のメリットとなり得る。仕様書に書かれている事が全てでは無いし、偶然やバグから生まれた技術だって山ほどある。A君のゲームも様々な対話や試行錯誤の上に成り立っている(プロトタイプをテストプレイし続けてイヤというほど感じられた)のだが、僕が指摘するまで当の本人は気付いていなかった。『当たり前』になり過ぎていて、作り込んでいるという事実に気付けなかったのだ。5年間も一人で作り続けたのに、当の本人は特別凄い事とは思っていなかった。ただ単に、『5年かかっただけ』なのだ。

『当たり前』は成長し続けると、やがてとんでもないハイレベルな『当たり前』に到達する。ここまで来てしまうと、人に「何でそんな事出来るん?」と聞かれても、答えられなくなるのだ。だって、それが『当たり前』なのだから。箸の持ち方も、九九の暗記も、毎日の料理も、ジャズのアドリブも、F1ドライバーのドライビングテクニックも、みんな『当たり前』の向こう側にある。どんな事でも『当たり前』になっている人は、強い。個人的な話だが、僕は人生を通じて、この『当たり前』をもっと増やし育てていきたいと思っている。

話を少し前に戻す。先程までプログラマ側からの『面白さ』について色々考えていたのだが、現代のコンシューマゲーム制作はほぼ全てが分業で、巨大なプロジェクトになればなるほどプログラマが調整をする機会は失われる。勝手にイジったら、他の部分に影響が出るかもしれないからだ。必然的に、企画側が主導権を握る形になる。こうなると、ストーリーやグラフィックがゲームのメインになりがちだ。それはそれで『面白さ』があると思うが、数十ドットの組み合わせで無限の妄想が出来る僕らオールドスクールゲーマーにとっては寂しい話だ。A君のようなスタイルを踏襲しようとするならば、プログラマ側に立った上で、1人またはごく少人数で作り上げなければならないのではないだろうか。絵も、音楽も、ストーリーも、勿論プログラムも。

A君が面白い事を言った。「良い曲が作れた時は、良いゲームが作れる」と。また、「ストーリーはいつも後から考える(ストーリー主導で作った事が無い)」とも。恐らく、こういう手順でゲーム開発をしている人は稀だし、真似出来る人間はそう多くないだろう。「こんな答えでええんかなあ…参考にならんよなあ…」とA君が自信無さげに言ったが、実際そうなんやし、これ以上どうにも説明出来へんのやから仕方無いやん?と答えると、「そうよなあ、しゃあないよなあ」と笑った。そんなもんなのだ。

以上、5時間ノンストップで話した内容だ。ちっともまとまっていないが、有意義な時間だった。

12,3歳のスーパードラマー

『A Night in Tunisia』で検索して、たまたま見つけた神戸の小学生ドラマー。12歳。女の子。正確無比、考えられないレベルのパフォーマンス。これを見て、改めてドラムは力じゃないんだなあと思わされた。この演奏は、いわゆるテレビなんかで持て囃されるタイプの『天才少女』のものではない。川口千里さん、貴女はホンモノだ。

何が凄いって、目。12歳の目じゃない。これはプロの目だ。『けいおん!』は曲のレベルだけが高校生離れしてるよなあと思っていたが、こうやって12歳(この動画は13歳時)の女の子が叩ききっているのを見ると、実は高校生でも普通のレベルなんかなあと勘違いしてしまいそうだ。是非ジャズ畑にも顔を出して貰いたいものだ。

ウッドベースとの初遭遇

これは僕の手。

セッション後、ベーシストのS君からベースの基礎を教えて貰った。S君が扱うのは、いわゆるウッドベース、コントラバスだ。真っ直ぐ立てると、僕の身長より高いこの楽器、持ち方ひとつとっても素人の僕には衝撃的だった。

ジャズの場合、ベースはウォーキングするのが当たり前なので、どんな曲でも素早い動作が必要とされる。そこで編み出された左手の押さえ方。人差し指、中指&薬指、小指と3つに分けて、一本の弦を押さえるのだ。それぞれの指は、半音ずつ押さえられるように広げられており、素早く半音・全音の切り替えが出来る様になっている。理屈では解る。だが、まず指が広がらない。それ以前に、中指と薬指がセットで動かない。聞けばS君は、この2本の指をセロテープで巻いて練習していたそうだ。

めっさ楽しい。

また、一番低い音を出す4弦がバカみたいに太い。人差し指でも押さえるのに苦労するレベルだ。こんなもんどうやって小指で押さえりゃ良いんだ。ましてや、速いテンポの曲なんかだったら。そこへ加えて右手で弦を弾くのだが、こちらは親指をフィンガーボード下部の側面に添え、そこを支点として人差し指と中指で弾くそうだ。この2本だけが太くなりそうな位の力強さが要る。当然握力も要る。あまりに力が必要で感覚が狂うから、他の楽器の演奏者は『やらないほうが良い』とまで言われる、特異な楽器なのだ。でもこの楽器、弾けたら最高にカッコ良い。憧れの楽器なのだ。

一通り遊ばせてもらってから、S君から興味深い話を聞いた。「実は、ジャズよりポップスのほうがしんどいんですよ」と。ジャズはウォーキングする分、同じ音をホールドし続ける事が無いし、解放弦で逃げる事も出来るから握力が持つ。だがポップスだと、同じ音ばかり弾く機会が増え、音によっては逃げる事も出来ないので握力がヤバいらしい。なるほど。

成長したクリスマスソング

演奏中の写真はまた後日。

今年最後のジャズバー発表会。やる曲はちょっと前から決めていたのだが、お店にこの曲の楽譜が無いので初見でやって貰えるかどうか解らず、予備の曲も用意した。本番30分前くらいに、急いでIllustratorにて制作、自分でリハーモナイズしたので、正直合ってるかどうか自信がない。

お店について、すぐにベーシストのS君に楽譜を見せるとOKが出た。おお、これでようやっと念願だった『santa claus is coming to town』がやれる。1年でこの時期にしか演奏する事が許されない(と言う訳でもないか)シーズン限定の曲。リハーモナイズの参考にしたのは、Oscar Petersonの演奏だったのだが、多分ちょっと違う。キーはFで、以下の様なコード進行だ。

F D7 | Gm B♭m | Am D7 | Gm B♭7
Am D7 | Gm C7 | G♭| Gm C7

F D7 | Gm B♭m | Am D7 | Gm B♭7
Am D7 | Gm C7 | F | F

Cm F7 | B♭| Cm F7 | B♭
Dm G7 | C | Dm G7 | Gm C7

F D7 | Gm B♭m | Am D7 | Gm B♭7
Am D7 | Gm C7 | G♭| Gm C7

で、実際やってみたら、これが思いの外ハマってくれた。すんごい楽しい。部分的な転調が多いので、普通のバージョンを聴きなれている人には相当新鮮な筈だ。テーマを弾いてるだけでもテンションが上がる。その分アドリブは難しくなるのだが。

で、演奏の内容は、まあトチったけどこんなもんでしょう、という感じ。即席の割にはまあ何とかなったかなあと。後はもう少し転調への理解を深めて、自由に歩き回れるようになれば、来年のクリスマスくらいにはウハウハだ。何がウハウハなのかは自分でも解らないのだが。

ついでにセッションで、予備曲だった『A night in tunisia』もやらせてもらった。こっちは結構簡単な曲なので、適当に適当に楽しませて貰った。一時期に比べて、僕にも随分と余裕が出来てきた気がする。後はフレージングをもっともっと進化させていくのと、左手の特訓だ。何より今日、一番嬉しかったのはリズムが安定していた事だった。

余談だが、この『santa claus is coming to town』、最初に弾いたのは確か4年くらい前、バレエのAちゃんの結婚パーティーだった。僕がジャズバー以外で、不特定多数の人前で演奏した、初めての曲でもある。当時はアドリブまではやれなかったのだが、今日の演奏でハッキリと成長を実感出来た。僕、マシになってきてる。

何にでも使用料が

個人的な意見だが、モバゲーやGREEのやり方が嫌いだ。課金ばっかりかけて手元に何も残らないこれらを、ゲームと認めたくない。1ヶ月の課金額で普通にDSやPSPのゲームが買える、なんて事態も当たり前に起こっているらしい。おかしいだろそれ。最たるものは以下のレス。

46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 11:55:19.14 ID:v2NrwlPOO
 
スト2
リュウ使用料 700円 昇竜拳使用料750円 波動拳使用料700円 竜巻700円
 
ロックマンX、X2
ヘッドパーツ700円 ボディーパーツ750円 アームパーツ700円 フットパーツ700円 波動拳1500円 昇竜拳1500円
サブタンク(ry

こんなんゲームじゃないだろ、もう。

面白い人だらけの忘年会

人が多い多い。

年末3本目の忘年会in北新地。北新地て。人生初ですよ北新地。そもそも行った事すら無い。いつもお世話になっているP社のTさん主催の、ほとんどP社の忘年会。何だか混ぜて貰うのが申し訳無いが、社員さんは全員知ってるし、是非との事だったのでお邪魔させて貰った。

が、人生初の北新地、待ち合わせ場所のスエヒロが解らない。事前に調べとけという話だが、地下にあるのか地上にあるのかすら解らずパニック。十分余裕を持って来たはずが、待ち合わせ場所に着いた時には5分も遅刻してしまった。嗚呼申し訳ありません。今、信長書店の前ですと言うのが恥ずかしかった。

今日のメンバーは、P社の代表取締役であるTさん、技術屋のNさん、Tさん、Wさん、Sさん、そしてP社と提携関係にあるS社の代表取締役Sさんの7名。このS社のSさん、とてもユーモアのある方で何度も爆笑の渦を起こしていた。また、漫画に非常に精通しておられ、仕事の守備範囲がデカくなる一方で大変なんですみたいな話をしたら、「緑山高校みたいですね」と言われて驚いた。恐らくピッチャーながら外野まで走ってホームラン性の打球を叩き落とした『二階堂定春』の事を言われたのだと思う。かなりコアな話だ。

コアな話と言えば、漫画繋がりで『エリア88』の話になり、そこから熱い熱い戦闘機談義が始まった。やれディスカバリーチャンネルで価格を覚えただの、試乗するならロシアか中国だの、普通の人が全くついていけない話でみんなが盛り上がるのが凄い。ミッキー・ロークのネコパンチで爆笑が起こったり。2時間と言う予定の筈が3時間ちょっとお店に滞在する事になり、もうとにかく笑った。ここはホントに良いチームだと思う。

そう言えば、トイレに入ったら洗面台にガムシロップみたいなものが置いてあって、何でこんな所にと焦ったが、良く見たら『マウスウォッシュ』と書いてあった。いやまあ、うん。

マトリックスキック

動画を見れば意味が解ると思う。こんなファンタスティックなキック見た事無い。日本人がやってたら忍者キックなんて言われてたんだろうか。カッコ良過ぎだ。

超ハイセンスなカプセルホテル

僕のストライクゾーン、ど真ん中なデザインを誇るカプセルホテル。ここ、前から行きたくて行きたくてしょうが無かったのだが、何せ京都市民なので市内で泊まるという事自体が稀な為、お世話になりたくても機会が無い。これがまた寺町にあるというのもグッと来る。タニヤマムセンの南か。くそー行きたいなあ。

一年間の仕事を通じて

前々から考えていた事だが、今の制作フォーマットをゴロッと変えようかと思っている。CMS、ひいてはWordpressへの全面移行。クライアント自身でコンテンツ内容をイジれるようにするのに、HTMLはやや敷居が高い、そう感じた一年だった。出来るだけ解りやすくコーディングをしているつもりだが、細部まで作り込もうと思うとどうしてもコードが複雑になり、作り手でないと混乱してしまう。ならばいっそ、CMSに切り替えてしまえばお互いの負担が少なくなるのではないか。土台を作るのに苦労しそうだが、出来てしまえばきっと楽になるだろう。

また、何処までをクライアントでやってもらって、何処からは僕が請け負う、という線引きが甘い為に混乱が起こる事も多々あった。これは最初にルールを決めていなかった僕が悪い。この辺りを深く考えていくと、仕事を始める前に疑問だった『料金体制』についても納得出来てくる。数字には、根拠があったのだ。僕らの仕事は、作るだけではない。

やはり、どこかで時間を作って練り上げねばなるまい。何処か温泉街にでも篭もるか。

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