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長い一日(2) 雨雲とのデッドヒート

  • 2010-10-08 (金) 0:50
  • 日常

会社案内のゲラ刷りで入稿をしなければならないのだが、先方からの最終チェックの返事がまだ来ない。入稿トラブルなども考えて、出来れば午前中に返事を貰いたかったのだが仕方無い。ひたすら待機。今回はデータ量が多いので、DVDにでも焼いて直接印刷所へ入稿しに行く予定だ。ついでにオカンのお使いにも行く。今日は夕方から雨なのだが、それまでに大丸へ行かねばならないのだ。

結局返事が来たのは15時。空がかなりヤバい事になっている。まずは印刷所だ。データチェックにはそこそこ時間がかかるので、出来れば1分でも早く入稿したい所。日付をまたぐ頃に「データが変です」とか言われたら、泣くしかない。原チャでゴー。

入稿は無事完了(何故かMacでDVDが読み込めず焦った)、そのまま四条烏丸の大丸へ。と、錦の商店街辺りでMKのワゴンタクシーが2台止まって荷下ろしをしていた。ロケだ。どうやらこの近くの店で取材があるらしい。巻き込まれたら動けなくなるので、急ぎ駐輪場へ入る。やれやれとヘルメットを片付けていたら、警備員さんが「あと1時間くらいで振り出しそうやねえ」と声をかけて来た。

10分で用事を済ませ、再び駐輪場へ。バイクに荷物を置こうとした瞬間、頬に嫌な感触が。雨だ。ヤバいシャレになってない。とにかく急いで戻らなければ。幸いこれから東へ戻るので、雲の流れに逆らわずに済む。急いで道路へ飛び出した僕を待ち構えていたのは、ロケのカメラだった。

その昔、地方テレビ局でカメラアシスタントのバイトをしていた僕。今でも大抵の事は覚えている。カメラ上部の赤いランプは、テープが回っていることを伝えるシグナルだ。そしてそのカメラは、二人の女性出演者の間から僕を真正面に捉えてしまっていた。勢い良く近づいてくる、バイクに跨った僕を。

カメラアシスタント時代、フレーム内に入り込む事は『死』を意味した。こういう時は、極力自然にフレームから離れていくのが最善なのだ。立ち止まらず(立ち止まるのは最悪)、無関心で離れる。音声のIさんが教えてくれた事を、知らず10年越しに実践していた。あのテイクがボツになったかどうかは解らないが、やれるだけの事はやった。申し訳無いが、今の僕には雨の方が心配なのだ。さらばロケ隊。

雨が僕に追いついたのと、僕が荷物を届け終わるのは全くの同時だった。命拾いしたとしか言い様が無い。

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