- 2011-12-26 (月) 0:40
- 日常
『豚足を食べたい』という星の元、僕とA君は西院駅近くにある聖地『秋吉』へと足を運んだ。ここは、僕の知る限りでは唯一の、豚足を出す居酒屋チェーンである。学生時代にA君が愛用していたのだが、実は卒業以来、僕らは一度も来店を果たせていなかった。今日はそんな級友とも言える豚足との、記念すべき再開日なのだ。いざ。
秋吉西院店、定休でした。
これほどまでに心を折られた事は無いのではないか、というA君の無念の表情。僕も地面に蹲った。何でこの忘年会のかき入れ時に休むか。年末は休み無しが普通だろう。イヤほんとに。嘆きながら他の店を探していたら、たまたま沖縄料理の店を見つけた。『テビチ』って書いてある!豚足だ!神は僕らを見捨てなかった。
が、出てきた豚足は、おでんのダシでトロトロにまで煮込まれていた。
違う。僕らはあの太い足を齧りたかったのだ。それを写真に収めて、降るHDの壁紙を作りたかったのだ。様々な悲しみを乗り越えて忘年会はスタート。早速iPhoneを取り出しテストプレイ、先日App Storeに申請されたばかりの、A君の新作だ。相変わらず人の心を巧みに操る(ように見える)ランダム性。キーボードやマウスよりも難度が高い上に、今日は酒も入っている。色々自分自身を疑ってしまいそうになる。畜生良いゲームだ。
そのままゴーヤチャンプルなどを頂きながら、この一年について話をした。独立元年となったA君、これ以上ない激動の年となった筈なのに、いつも淡々としている。「何かね、現実感が無いんよ」と。そりゃそうだろう、去年までは普通に会社員として働いてたのに、今年になった途端にしょっちゅう海外行くわ東京行くわ、メディアに顔出すわ生中継されるわ。たった1本のゲームのお陰で、彼の人生は大きく変わった。でもそんな事、誰も想像していなかった筈だ。
僕もA君のお陰で、今年は本当に面白い目に沢山遭わせて貰った。近所に住む同級生としては初の、個人事業主仲間。それがどれだけ頼りになった事か。学生時代よりも濃厚な日々を送らせて貰っている。僕は幸せ者だ。
来年の展開についても話を聞く。一時開発を中断していた作品の再スタートについて。この辺りになると、もう忘年会と言うよりはいつもの会議そのものだった。「脳が2つあると良いよね」と、独特の言い回しをするA君。一人で考えるより、二人で考えたほうが気付きや発想が豊かになるという事らしい。二人の妄想がどんどん肥大化して、メモに書かれていく絵もどんどん大きくなっていく。ひきつった笑みを浮かべながら、「これ実装したら、1年じゃ済まんやん…嗚呼でも、これ絶対面白いよなあ…」と苦悩するA君。「じゃあこの企画で作るよう、ウチの開発に投げとくわ」と、明後日の方を向きながら話している。そうやね、企画も開発もA君一人なんやけどね。
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