- 2010-12-23 (木) 0:40
- 日常
セッション後、ベーシストのS君からベースの基礎を教えて貰った。S君が扱うのは、いわゆるウッドベース、コントラバスだ。真っ直ぐ立てると、僕の身長より高いこの楽器、持ち方ひとつとっても素人の僕には衝撃的だった。
ジャズの場合、ベースはウォーキングするのが当たり前なので、どんな曲でも素早い動作が必要とされる。そこで編み出された左手の押さえ方。人差し指、中指&薬指、小指と3つに分けて、一本の弦を押さえるのだ。それぞれの指は、半音ずつ押さえられるように広げられており、素早く半音・全音の切り替えが出来る様になっている。理屈では解る。だが、まず指が広がらない。それ以前に、中指と薬指がセットで動かない。聞けばS君は、この2本の指をセロテープで巻いて練習していたそうだ。
また、一番低い音を出す4弦がバカみたいに太い。人差し指でも押さえるのに苦労するレベルだ。こんなもんどうやって小指で押さえりゃ良いんだ。ましてや、速いテンポの曲なんかだったら。そこへ加えて右手で弦を弾くのだが、こちらは親指をフィンガーボード下部の側面に添え、そこを支点として人差し指と中指で弾くそうだ。この2本だけが太くなりそうな位の力強さが要る。当然握力も要る。あまりに力が必要で感覚が狂うから、他の楽器の演奏者は『やらないほうが良い』とまで言われる、特異な楽器なのだ。でもこの楽器、弾けたら最高にカッコ良い。憧れの楽器なのだ。
一通り遊ばせてもらってから、S君から興味深い話を聞いた。「実は、ジャズよりポップスのほうがしんどいんですよ」と。ジャズはウォーキングする分、同じ音をホールドし続ける事が無いし、解放弦で逃げる事も出来るから握力が持つ。だがポップスだと、同じ音ばかり弾く機会が増え、音によっては逃げる事も出来ないので握力がヤバいらしい。なるほど。
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