- 2014-01-04 (土) 0:30
- 日常
喫茶店のほうの仕事始め。まだお正月の連休だし、多分ノンビリやろうと思ったら予想に反して大忙しだった。有難いなあと思いながら仕事を続け、店が少し落ち着いてきた16時ごろ、オカンが小さく僕に告げた。ウチの最年長である常連Sさんの、訃報だった。昨年末にケガをして動けなくなり、つい先日の1月2日に亡くなられたそうだ。
Sさんと初めてお会いしたのは10年以上前、移転前の店での事だった。オカンが接触事故に巻き込まれて3週間ほど休みを取る事になり、留守を預かっていた僕の所へ来店されたのだ。緊張し、下手な珈琲しか出せなかった僕。坪庭の雪が綺麗ですねと言うと、「若いのに、良く風情を理解されていますな」と笑顔を浮かべられたのを昨日の事の様に思い出す。そう、ちょうど今頃の季節だった。
90歳を超えても尚、夫婦で毎日(たまに定休日にまで)バスに乗って来店して頂いて、ウチの名誉会長と呼ばれた人気者のSさん。職人として生涯現役を貫き、素敵な写真を撮り、カラオケも朗々と歌われていたSさん。甘いものが大好きで、そこのいつもの指定席でココアやアイスクリームを美味しそうに食べていたSさん。行き帰り、離れないようにと奥さんがSさんの手を握って歩いていて、その姿がいつもチャーミーグリーンのCMのようで微笑ましかった。訃報を受けたオカンは、泣き崩れたそうだ。聞けば遺影は、以前僕がここで撮った記念写真をそのまま使われたとの事。言葉が出てこなかった。
新庄さん。長きに渡るご来店、本当に有難う御座いました。心より、心よりお礼申し上げます。
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