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初めての陸上観戦

  • 2013-05-31 (金) 23:55
  • 日常

教え子である陸上のMが、三脚をプレゼントしたお礼(?)にと「今日学校休みで試合あるし観に来て」と言うたので、お邪魔してきましたた西京極総合運動公園。今日から3日間、ここでインターハイ予選(高校総体京都府予選)が行われるそうだ。学生時代は元より今日きょうに至るまで陸上には全く縁の無かった僕、具体的にどんな事が行われるのかサッパリ解っていない。そもそも、どうやって観戦するかも解っていない。行きゃ何とかなるかと思ってたけど、入口すら解らず何ともならなかった。素直にMへ助けを求める。

5分ほどして、走って遭難した僕を迎えに来てくれたM。いやーごめんごめん、迷ってさーと詫びると「今から3年の先輩がトッパー出るから!急いで!」と急かされた。トッパーって何やと尋ねたら「110mハードル!」と。そんな初手から専門用語かまされましても。撮影許可の腕章を渡され、「あの色がウチの選手やから!じゃ!」と放置された僕。えーと、時間も無い事やし、取り敢えず撮りますか。スタンドの最前列に座って、いざ一発目。

やらかした。高校生のスピードを舐めてた。ピントも合わず、ブレブレの写真になり真っ青になる僕。いやまあ、別段仕事でも何でもないんだけども、どうせならキチンと撮ってあげたいし。これPhotoshopでも厳しいな…

設定し直して1/1000。ISOを400にしたけど、まあ問題無いでしょう。今日はこんな感じで頑張ります。

ここで本日のコンディションの紹介だ。昨日梅雨入りしたとか言うてたけど、今日は好天で湿度も低め。そして暑い。暑いではないか。しかしトラックの中は元気な高校生で一杯だ。いやー若いなあ。まあ自分もついこないだまで高校生…スイマセンでした、彼らの年齢は、僕の半分くらいです。泣いて良いですか。

110mハードルが無事に終わり、Mの学校が出場するレースはちょっと先になるとの事。ならば他の競技で楽しむ他あるまいて。ちょうどトラックの外側で走り幅跳びをやっていたので観戦する事にした。みんな平気で6mとか飛んどる。最高記録とか全然知らんので、どの選手も超優秀に見える。この写真、落とし穴にハマったみたいになってるな。

面白かったのが、選手が観客に手拍子を要求した所(注:写真の彼が要求したかは覚えていない)。「手拍子お願いしまーす!」とグラウンドからデカい声がして、何事かと思ったらスタンドの皆がテンポ80くらいの手拍子を打ち始めた。これテレビで観た事あるぞ、でもまさか選手からの要求やったとは。自分のテンションを上げる為に観客に協力をして貰ってるって事なんやろうけど、余計プレッシャー感じたりせんのかな。これでファールとかコケたりしたらトラウマにならんか。なんてしょうもない事を考えてたら選手がスタート。手拍子のテンポが加速していく。野球みたいやな、と思ったらジャンプし終っていた。一瞬変な間が空いてから、まばらな拍手が起こる。え、これ良い記録なの、そうじゃないの、どっち…

メインの観客席とは反対側のほうで、ひっそりとある競技が行われていた。棒高跳び。間近で観て度肝を抜かれた。背中が真下に来るまで身体を傾けて、棒が戻る反動を利用して身体を伸ばし、更には反対を向きながら棒を離しつつバーを越えていく。誰だこんな無茶な競技を思いついたのは。聞けば、僕が観に来る少し前に棒が折れるというレアなアクシデントが起こったそうで、色々シャレになってない。基本、バーが折れても慣性の法則で前方へ落下すると思うんだけども、もし何かの間違いで…

しかし、彼らはそんな事をお構いなしのように跳んでいく。連写してプレビューを見る。美しい。選手によって飛び越え方やフォロースルーは様々だけれども、クリアしたジャンプはどれも芸術的だった。ちゃんと飛べるようになったら気持ち良いんやろうなあ。見てるだけでも吸い込まれそうになる。長い時間、僕は棒高跳びから目を離す事が出来なかった。このバーは最終的に、一番上ギリギリの所まで上がっていく事になる。よう跳べるわホンマ。

そうそう、自分のタイミングでスタートして良い競技は、全て選手が「行きます!」とか「はい!」とか声を上げてからスタートしていた。それに返事するように、各校のメンバーが「はい!」と揃った声を上げるのも面白い。強豪校らしき高校は、ここでも声が揃ってるんよね。逆に返事にバラつきのある高校、選手がちょっと可哀想だった。みんな、自分とこの選手が出る時は、集中して見てあげようよ。

そうこうしている内に、Mのチームが出場するレースがやって来た。事前にMの学校のテントにお邪魔して簡単にご挨拶。顧問の先生はたまたま居られなかったので、当然高校生しか居ない。若い。何か気まずい。そりゃそうよね、父親にしては若過ぎて、兄妹にしてはオッサンで。Mは「三脚をくれた人」というだけの紹介をしてくれたらしい。モノで釣る不審人物か。まあそりゃ、小さい頃に演劇教わってたって言うてもピンと来んやろうしなあ。大丈夫です、僕怪しくないです。

100mx4リレー女子、出場していたのは以前ウチの喫茶に遊びに来てくれた、棒高跳びのRちゃんだった。本業は日曜日に跳ぶらしく、今日はリレー要員との事。お疲れ様です。いやー、知ってる人が居るというだけでこの安心感。バトン渡しの良い写真が撮れて満足。良いランでした。レースが終わってから挨拶に行ったら、息が上がってるのに丁寧に挨拶してくれて恐縮です。ゴメンね。

さて、また棒高跳びを観に行くか…と移動した所で思わぬ出会いが。共に陸上のMに演劇を教えていた、講師のGちゃんが選手の誘導をやっていたのだ。「何してんの…?」と驚きを隠せないGちゃん。いや、Mに呼ばれてな、と腕章を見せたら大笑いしてくれた。Gちゃんは某校陸上部の顧問を務めていて、ちょくちょく競技場でMと遭遇していたのだ。噂には聞いてたけど、まさかこんな場所で会うとはね。暑い中、朝からお疲れ様。

合間にトラックの南側を見てみると、槍が刺さりまくっていた。槍投げの練習後のようだけれども、スタッフである高校生たちがワラワラと回収しに行く様が何となくコミカル。狩りの帰りみたいな感じ。そういや先日、この槍が刺さったなんてニュースを聞いた事が。陸上競技も危険が一杯だ。この日、早い時間に砲丸投げもやっていたそうで、それも見たかったなあ。

あと、行き交う選手がみんな風呂の中で敷くマット(タイルで滑らない用のアレ)を持ってるのに驚いた。何でそんなもんを…と思ったら、これを敷けば何処でも柔らかい地面でストレッチが出来ると。なるほど。トラックやフィールド、観客席も固い場所ばっかりなので、こういうマットが必需品になるのね。マネージャーらしき子がこれ敷いて昼寝してたのは、見なかった事にします。

続いて100×4リレー男子。ここにも出場するとの事で写真を撮りまくった。トラックの向こう側を走ってる選手も撮影したんだけど、家に帰って確認してみたら思ったよりちゃんと撮れててビックリ。やるな200mmズーム。撮影の成果をMに見せてた時に言われて気付いたんやけど、これ先日100mで10秒01を叩き出した桐生選手よね。洛南の生徒やったん、すっかり忘れてた。超高校級、というか日本代表級の選手が普通に目の前を走ってる。良い筋肉してるなあ。まだ高2という事で、是非更に鍛え上げて10秒の壁を突破して欲しい。

僕が観た本日最後のレース、1500m走。これキツいんよね。終わった後に立てなくなるくらいキツい。みんなよう頑張るよ。最後まで見届けてからMに挨拶をして帰路に着いた。冒頭に書いた通り、今まで陸上競技には全然縁が無かったんだけども、身体の動きなんかが奥深くて魅入ってしまった。どうやら今大会が引退試合になる選手も居るらしく、あちこちで泣きながらストレッチをしている子も居たりして青春を感じた。僕にもそんな頃、あったっけ。

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