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2014-09-23

インディーゲームの旅2014 イントロダクション

こちらは2014年9月20日(土)~21日(日)、千葉の幕張メッセで開催されたTOKYO GAME SHOW2014一般デイのイベントレポートです。期間前後の記事も少しだけ掲載しております、上から順にお読みください。

インディーゲームの旅2014番外編・長野経由で京都へ帰る

「東名も新東名も、飽きちゃったんだよね」

最初にそう言ったのは、ならむらさんだった。過去、東京でイベントがある度に車で上京・帰郷していたチームNIGORO。今回も上京の際にはならむらさんPANDAさんの二人三脚でやってきたんだけども、同じ景色は見飽きたそうだ。

「そこで、帰りは長野ルートを採用しました」

すいません意味が解りません。長野って北じゃないですか。僕ら帰るの、西ですよ?

「明日は朝5時くらいに出発します」

PANDAさんも何で満足げな顔してんですか。落ち着いて考えて下さい、どんだけ遠回りするか解ってるんですか?

「だって、早く帰ったって仕方ないし」

かくして言いくるめられた(反論させて貰えなかった)僕、ならむらさん、PANDAさんはレンタカーに乗り込み、北を目指して爆走する事と相成った。「大丈夫、既にルートはGoogleマップに叩き込んである」と嬉しそうなならむらさん。こうなればもう、ヤケだ。

千葉から埼玉へ。早くも車内は異様なテンションに包まれている。5時起きのアラフォー3人とは思えない勢いですがいつまで持つんだこの体力。運転手のトップバッターはPANDAさんだ。

車は東京外環自動車道をひた走る。平日の早朝という事もあって、まだそこそこ車は少なめだ。道路標識を見るたび、あの首都高って方へ行けば昼過ぎには帰宅出来ると訴える僕。「ほーらしゅうさん、次の目的地は大泉だよー、どうでしょうの大泉だよー」「草加せんべいの草加だよー」等となだめにかかるPANDAさん。東京外環自動車道唯一のPAである新倉PAに入って、運転手はならむらさんに変わった。

この人らならホンマにやりかねんから怖い。ちょっとでも寝たら何されるか解ったもんじゃない。新潟まで行ったら、絶対今日中に帰れませんよ!もう1日旅程を伸ばす気ですか!

外環の終点である大泉JCTへ到達、ここから関越自動車道に入る。ニュースとかでしか聞いた事の無い名前だ。長野までの距離を目の当たりにしてしまい眩暈が。京都に近づいてるならまだしも、遠ざかってんですよ205kmも。「いい加減諦めろ!」等といった優しい言葉が車内に飛び交い、リアルどうでしょうな雰囲気になってきた。道中唯一テンションが上がったのは『川越』の文字を見た時だけ。あの高橋邦子の川越だ。

古き良き昭和を思い出させる高坂SAで休憩、お土産を物色するも東京のものが多かった。かなり埼玉に入ってる筈なんだけどなあ。目黒バームクーヘンと目白バームクーヘンなるものがあったんだけど、やったら長くてそれぞれ黒と白の生地になって…これただのシャレやないか。下は主犯の二人だ。

地理に疎い僕が時折マジボケするもんで、車内は定期的に盛り上がる。秩父辺りには嵐山(らんざん)や花園といった地名があって、否が応でも京都を思い出す。「しゅうさんやったね、京都に帰って来たよ!」、ここ埼玉です。もうすぐ群馬です。

埼玉から群馬へ。藤岡JCT経由で上信越自動車道へ入った。朝7時にして既に3つ目の高速である。僕、群馬って初めて入ったんですよと話すと、「槍に気を付けて」とPANDAさんが。途中、エアーズロックみたいな断崖絶壁の山を発見して車内騒然。「何だあれ!」「地図に載ってねえぞ!」、結局未だにあれが何なのか解っておりません。

妙義山。イニシャルDで聞いた事がある。そういやあれって群馬が舞台だったっけ。PANDAさんがこの山の特異性について話してくれたんだけども、難しくて忘れてしまった。Wikipediaをどうぞ。

この辺りの山は独特の形をしている。高速が通ってなかったら、どうやって行き来するのか解らない。と、そこへ軽井沢の文字が飛び込んできた。軽井沢ってこんな所にあったのか、知らなかった!千葉から出発しておよそ2時間か、なるほど別荘地としてはちょうど良い距離かもしれない。

群馬からついに長野へ。佐久平PAという所で休憩を取った。解ってはいたんだけども、寒い。9月とは思えない寒さで、9度とか何とか表示されている。半袖はおろか長袖を羽織っていても寒い。そりゃ避暑地って言われるわ。PAの展望台から見下ろすと、町が謎の霧に包まれていた。「サイレントヒルか」、それ静岡でしょPANDAさん。いやこのツッコミもおかしいけども。

次の佐久ICでおもむろに高速を降りるならむらさん。え、降りるんですか?そういや今日、長野へ行くとは聞きましたけど、何処へ行くか聞いてないですよね。「それでは発表します、最初の目的地は山の中にある白樺湖です」なんですって。どうやら向かう先にサイレントヒルな霧が拡がってますけど「知りません」なんですって。

ホラーめいたオブジェクトに何度も遭遇するも、車は突き進む。この辺りは稲の収穫も早いようで、あちこちの田んぼが黄金色に輝いていた。昔はウチの近所でも沢山田んぼがあったんだけれども、最近ではとんと見かけなくなったな。

山道に入って30分、どんどん登り続けて不安になる我々。と、いきなり視界が開けた。白樺湖だ。3人声を揃えて歓声をあげた。

湖面標高1,416mという高山地帯にある人造湖、白樺湖。よく名前は耳にするけども、実際目にするのは初めてだ。辺りはリゾート施設が充実していて観光客も沢山居る。そして当然ながら、寒い。

更に山を登り、白樺湖を見下ろす。良い景色だ。朝にダダをこねていた事などは、もうすっかり忘れていた。ここから先の通称『ビーナスライン』は、全てが絶景に変わる。

霧ヶ峰にある売店のスタッフさんに聞いた所、ビーナスラインの見頃は6月から7月で、辺り一面にレンゲツツジやニッコウキスゲが咲き乱れるらしい。岡や山を埋め尽くすほどの花々は本当に美しいそうだ。次に見頃なのがこの時期で、辺り一面でたなびくススキを見る事が出来る。例えが適切ではないかもしれないけども、ナウシカを思い出させるような感じだ。

ビーナスラインには展望台や道の駅などが多数あり、あちこちでツーリング中のバイカーを見かけた。程良いワインディングで、かつ路面状態も悪くない。うってつけじゃないか。おやきやシカ肉の串焼きを頂きながら精一杯羨んだ。長野、メッチャええ所ですやん。

標高約1632m、高層湿原・八島ヶ原湿原。「うおっ…」「おわっ…」、ならむらさんもPANDAさんも言葉が出てこない。何だこれ無敵か長野。絶景以外の何物でもない。twitterに写真を投下した所、長野出身の悪い大人である古十さん、SORUさんが大喜び。二人とも、下諏訪出身なんだそうだ。

「さて、後は山を下るだけなんだけども、ちょっと予定より早いんだよな…実はもう一つ絶景ポイントが」、行きましょう。ここまで来たら何処までもお付き合いしますよ、何だったら新潟「滅多な事を言うもんじゃありません」、スイマセンPANDAさん。絶景に中てられて、かなりおかしくなってるな僕。

車はどんどん山を登り続ける。途中、レア標識である『その他の危険』標識を発見、「この先バス停」と書いてある。確かにこんな標高の所にバス停があるのは驚きですけど、その他の危険標識使いますかね?「5年に一度通るんだよ」オリンピックより長いじゃないですか!「だからその時にはバス祭りが」ありませんよ!長野の人に謝って下さいならむらさん!

標高約1959m、美ヶ原。「車で2,000m近くまで登れる所ってなかなか無いのよ、登山は車に限る」とならむらさん。とにかく寒いので撮影はほどほどにし、日本一高い道の駅で信州十割蕎麦を食べる。美味い。「あれだね、流石にこう絶景ばっかり眺めてると、慣れてくるね」、僕もちょうどそう思った所です。

大胆な寄り道をしたため、予定が大幅に押してしまった。急ぎ山を下りるも、今度は全員疲労が出て来てぐにゃんぐにゃんに。諏訪湖がチラッと見えるも無反応。このままでは危険なので、下諏訪まで降りたところで温泉に入る事となった。道中で見かけた毒沢温泉というデンジャラスな名前の温泉も気になったんだけども、結局地元の方も愛用しているという児湯へお邪魔した。ここがまあ湯温が高くて、あっちいの何の。お陰で目が覚めました。余談だけれども、坂道でブレーキが効かなくなった時に突っ込む緊急避難所(登り坂+砂利で無理やり止める場所)、下諏訪で初めて見た。

諏訪大社。知らなかったんだけども、諏訪大社には春宮と秋宮があるそうで、それぞれ祀られているものが違うんだそうだ。ここにあるのはおんばし…御柱って、あの御柱祭の御柱か!こんなデカいのに跨って、崖から落ちるのか…エクストリーム過ぎるやろ…

それにしても下諏訪は良い所だ。何となく既視感があるなと思ったら、ここ琵琶湖岸に似てるんだ。琵琶湖との違いは、積雪と温泉だろうか。静かで穏やかで、歴史も風情もあって。謎のハッピードリンクショップもあって。出来ればここで何泊かしてみたいな。冬の夜空を眺めながら温泉につかりたい。今日一日で、僕はすっかり長野の虜になった。

16時、再び高速に戻る。岡谷ICから長野自動車道に入り、すぐ目の前の岡谷JCTから中央自動車道へ。「実は近くに宿場町があったんだけど、もう寄っても真っ暗だから諦める」とならむらさん。ビーナスラインで大はしゃぎしたのが裏目に出た。宿場町とは恐らく奈良井宿の事だったんだろう。最終目的地である京都東ICまで、残り300km余り。果して家に着くのは何時になるだろうか。レッドブルを飲んで、さあ帰るぞ。

長野から岐阜へ。劇的な夕焼けを見ながら、ならむらさんがアクセルを踏み込む。休憩回数は多いとはいえ、かなりのロングドライブになっている。代わりましょうかと聞いても「まだ大丈夫」と元気そのものだ。「ハンドル握ってるのが好きなんだよ」とパンダさん。いつも一人旅で、車中泊をも厭わないならむらさんが頼もしく見える。

岐阜から愛知へ。素晴らしい速さを見せたならむらさん、ここで撃沈。アンカーとなったのは僕だ。ならむらさんには後部座席でゆっくり寝て貰う事にして、PANDAさんにナビゲートをお願いする。辺りは既に真っ暗で、景色を楽しむ事は出来ない。安全運転で帰りましょう。小牧JCTから東名高速道路へ、そのまますぐに名神高速道路へ。ついに名神へ入った。あと、少しだ。

邪悪なナビゲーターによって危うく東海北陸自動車道へ導きかけられるも、それ以外は順調に進んでいく。愛知から岐阜、岐阜から滋賀へ。PANDAさんとこの旅について雑談をしながら突き進み、最後のチェックポイントへ到達した。

愛知と岐阜が逆になってるけど、おおよそ上記の通り。ついに大津SAまで辿り着いた。最後の飯を頂き、改めて荷物の整理をして、一服してからラストラン。京都東ICから1号線へ脱出、この旅のすべての行程を無事終える事が出来た。まあPANDAさんはここから奈良まで帰るんだけどもね。

千葉のNIGORO合宿場を出発して、実に16時間。京都の我が家へ帰還した。去年もそうだったけど、このメンバーで旅をすると、終わってしまう事の寂しさより達成感のほうが遥かに大きい。余韻に浸れるのは、写真を整理しだしてからだろう。滋賀県に入った時に「次は九州かな」とボソッと言ったPANDAさん。また誘って下さい。多分最初はダダこねると思いますけどね。

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