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僕に無いものを持つ人たちの集い

  • 2010-11-14 (日) 0:30
  • 日常

建物内でもこれだけ行列が。

前回偶然立ち寄った、『ArtDive』という若手アーティスト中心のアートフェア。『描く』という、僕に一番欠けている能力の持ち主がこれでもかと溢れてるこのイベント、昨日・今日と再びみやこめっせで開催されるらしい。しかも今回、アクセサリのOさんが参加する。行かない理由が無い。

開場に合わせてバイクでみやこめっせへ向かうと、そこには西側の川まで達する程の行列が待ち構えていた。ちょっと待て、まさかこれ全員『ArtDive』のお客さんか、と思ったら1Fでやっていた『勧業祭』という同人即売会の行列だった。驚かせおって。行列を横目に、2Fの会場へ。

前回とはレイアウトがかなり変わっていた会場、正面では巨大なキャンバス(壁)に今まさに絵を描き続けているアーティストたちが。相変わらずのインパクトだ。開場したばかりという事もあり、お客さんの数は然程多くない。今日は少し多めに時間を作ったので、じっくり見させて貰う事にする。

最初に足が止まったのは、水澤結衣さんの作品。圧倒的な質感を持つ、石。写真を撮っていなかったので、水澤さんの公式サイトでご確認頂きたい。どう表現したものか解らないのだが、本当に圧倒的なのだ。『石』にここまで引き付けられたのは、これが初めてだと思う。残念ながらご本人が居られず、話を聞く事が出来なかった。

次はササキマサヒロさん、こちらも撮影をしていなかった。最初はCGかと思ったのだが、カメラを振りながら花火を撮影する事で、偶発的な光の軌跡を写し込んだ写真を展示されていた。この作品なんか、言われなければとても花火とは思えない。不思議で美しい作品だ。

恐ろしく細かい描き込まれた原画とCGを展示されていた、♭_flat_さん。サイトにもその作品が掲載されている。0.03mmのミリペンを使って、極限まで描き込まれた絵。写真は、リクエストのあったテーマで壁に1分間絵を描くというパフォーマンス。リクエストがある毎に絵が継ぎ足されていくのだが、完全にアドリブだそうだ。思い切り良く描いているのを見て、何となくジャズを思い出した。

怪しくも美しい鳥や鳥人を描いた作品を沢山展示していた、鳥人計画の鳥彦さん。シャーペンで描いた絵にデジタルで彩色をし、和紙などにプリントアウトしているそうなのだが、冊子や巻物まで全て手作りで作られていた。これは印刷屋には出来ない仕事だ。良い感じのパネルがあって買うかどうか悩み、一度離れてから買いに戻ったら売れていた。凹む。

作品を目にした瞬間、衝撃を受けてすぐ話しかけた、uapoomの竹村健一さん。何と、ヒノキを削り出してフィギュアを作られていた。彫刻、と言っても良いのだろうか。誤魔化しが効かない木材で、良くぞここまで。やはり制作に時間がかかるそうで、販売については今現在検討中だそうだ。丁寧さや滑らかさもさる事ながら、キャラクターデザインが秀逸で、相当グッと来た。

インパクト抜群、パナソニックの50インチテレビを持ち込んで、Mac+Painter+intuosタブレットで絵を描いていたnamikさん。そうか、こういうパフォーマンスも個人レベルで出来る時代になったのか、と感慨深かった。独自の世界観があり、色使いが綺麗でユニーク。色の重ね方がとても斬新だった。そういやA君もあんな色の重ね方してたなあ。よう真似出来ん。色々話をさせて貰ったが、Webデザイナーという職種にコンプレックスがあるとか。それを言うと、僕はイラストレーターという職種にコンプレックスが。アナログな絵も良い作品だった。

巨大な自画像を掲げていた、モリシタナオコさん。近付いてご覧下さいと書いてあったので、ホイホイ近づいて声を上げた。これ、全部文字だ。ある種のタイポグラフィとも言える。聞けば、最近自分が考えていた事をそのまま全部文字にして描いたそうで、下地になる部分から全部文字だけでやっているらしい。良い意味でゾッとした。しかし、文字だけでここまで描けるものなのか。本人は「ネガティブな言葉ばっか出てきて凹みました」なんて言っていたが、恐ろしく執念のこもった良い作品だと思う。S大学の人は面白い人ばっかりだ。【修正】ご本人から京芸の学生ですというご指摘を頂きました、大変失礼いたしました。

最後になってしまったが、アクセサリのOさん。手作り市とは違い、壁一面を上手く使ってのディスプレイは流石だった。Oさんは本当に見せるのが上手い。って、この写真では壁が出せないではないか。ブログに掲載されているので、そちらをどうぞ。相変わらず元気そうで何より。風邪でフラフラの僕にちょっとパワーを分けて欲しい。

イベントを振り返り、改めて絵が描けるって良いなあと思わされた。頭の中にある映像を描き起こせたら、本当に楽しいんだろうなあと。絵が全く描けない僕にとって、ここにいるアーティストは手の届かない神様のような存在だ。やっぱり羨んでしまう。

各ブースをじっくり見て回ったせいで予定を大幅に超えていたので、急いで喫茶店の手伝いにする。店が溢れかえっていなければ良いが。

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