- 2010-08-29 (日) 0:30
- 読書
しょっぱなからイラッとして、ずっとイライラして、最後から二行目で呆気にとられて、解説を読んで鳥肌が立った。この解説が無ければ、2つ目の仕組みに気付くのに時間がかかっただろう。なるほどなあ、悔しいくらいに良く出来てる。
頭を使わずにダラダラ読むと、男の性格にイライラする事この上ない恋愛小説。こんなに感情移入出来ないキャラクターは初めてだ。また、時代設定が80年代後半の為、ある程度知っておいた方が良い知識もある。僕はこの時代、バリバリのPCオタクだったので、世間一般に知られているようなドラマ・ミュージシャン・有名人の逸話なんかが全然解らなかったのが残念だ。期せずしてFM-7やOASYSなんて単語が出て来た時はニヤッとしたが。
だがこの本、そんな凡庸な恋愛小説ではない。エゲつない罠が仕組まれた、ミステリーなのだ。別段、警察沙汰になるような展開がある訳では無いのだが、2つの仕組みを理解してから読み返すと、話の内容がゴロッと変わってしまう。また、数多くある伏線にも驚かされるし、ゾッとする。解説にはヒントしか書いていないのだが、1つだけ理解出来ずに悩んでいた。が、それが解った時、とんでもない衝撃がやってきた。そうか、そこまで考えていたのか。
それにしても、何度読んでもイラッと来る男だ。友人でこんなん言う男がおったら、多分シバいてると思う。
- Newer: グッと来ない提携
- Older: 長い長い夜(3) 乗合いタクシー編