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たった1時間の事で

  • 2012-02-09 (木) 0:30
  • 日常

いつもより1時間早く寝て、1時間早く起きてみた。たったそれだけで、ここしばらくの虚脱感が無くなった。たったそれだけの事で。

オカンが入院して以来、朝は喫茶店の準備をしている。退院した今も、朝はリハビリに通っているのでこのスタイルは変わらない。この作業、入院前まではオカンと僕の二人で行っており、かかる時間も半分だった。その後、余った時間にピアノの練習をして、昼から業務を開始というのが日常だった。この事を、僕はすっかり忘れていた。

仕事が溜まりに溜まって、深夜まで仕事をするのが当たり前になった11月から1月。夜の方が仕事が捗るという事で生活時間帯は狂い、いつのまにか以前より1時間遅く寝るようになっていた。これがマズかった。1時間遅く寝ると言う事は、朝の時間が1時間減るという事になる。店の準備はイヤでもしなければならない。必然、削られるのはピアノの時間。昼過ぎからは仕事を始めなければならないので、手を付けられる時間が無い。夜やれば良いやん、という声もあると思うが、仕事で疲れた後に、あれだけ集中力を使う練習をするのはキツい。効率も悪くなる。結果、ピアノに触れる事に億劫になる。

今までにも何度となく書いているが、ピアノを触り始めて11年、既に練習は習慣となっている。歯を磨く事や、顔を洗う事と同義のレベルになっている。これらを1日しなければ、普通の人なら相当イライラするだろう。解っている筈なのに、それを蔑ろにするような生活をしていた事で、想像以上のフラストレーションが溜まっていたようだ。仕事をしながら、喫茶店に立ちながら、ずっと頭の片隅で『まだピアノの練習が出来ていない』と囁かれているような感覚があった。ピアノの練習も出来てないのに、仕事をしていて良いのか。知らずそんな事ばかり考えていたようだ。時間的な余裕が出来ても、精神的な余裕はそれ以上に無くなっている。

僕にとってピアノというのは、良く分らない存在だ。練習をしなければ上記のようにイライラするし、練習したとしても大抵は満足出来ず気分が晴れる事は無い。別段人前で演奏する訳でもないし、収入を得ている訳でも無い。趣味ですかと言われると、趣味では無いと思うと答える。多分一生付きまとうのだろうけど、ホントにタチの悪い存在だと思う。好きであって、嫌いであって。

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