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プログラムと僕

  • 2011-01-05 (水) 0:40
  • 日常


丸一日、青色申告と殴り合いをして疲れ切ったので現実逃避。この動画で紹介されているゲームは、全てMSXという家庭用PCで作られた、素人投稿プログラムによるものだ。ファミコン全盛期真っ只中にあって、僕らPCユーザは日陰でプログラムを作っては遊んでいたのだ。

知らない人は大抵驚くのだが、これらのゲームは雑誌に掲載されたプログラムリストを、ひたすら打ち込んで再現したものだ。ネットも、フロッピーディスクすらも無かった時代。投稿されたゲームで遊ぼうと思ったら、自分で打ち込むしか無かったのだ。新しいゲームを求め、僕らは一心不乱に本や雑誌を買い、プログラムを入力する。入力する内に、勝手に知識や技術が増えていき、そこから新たな素人投稿プログラマが生まれ、また誌面を賑わす。そんな時代があったのだ。

今でこそマシンスペックや技術力のお陰で、手軽に凄いゲームが作れる時代になったのだが、僕らの時代と言えば、弾が連射出来たら感嘆の声が上がり、BGMが流れたらちょっとした騒ぎになり、多重スクロールや画面回転なんぞしようものなら英雄になれるような世界だった。色だって256色(から16色選択して)表示出来ただけでもウットリしていた時代だ。上記の動画は、そんな英雄たちが作り上げた珠玉の投稿プログラムなのだ。

ファミコンユーザからは『機能がショボい』と散々バカにされてきたMSXだが、投稿プログラムには何より夢があった。自分のプログラムで、PCを制御する。自分だけのゲームを作り上げる。ただ遊ぶだけではなく、PCと対話をしながら何かを作り上げるという喜び。20年以上経った今でも、僕はずっとものづくりに引っ張られている。

あの時、両親がファミコンではなくMSXを買ってくれた事に、僕は心の底から感謝をしている。

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