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20年越しのリベンジ

  • 2010-07-24 (土) 0:40
  • 日常



先日の日記を書いていて、もう一度『バグ』に挑戦してみようと思い立ち、MSXの初代パロディウスを引っ張り出してきた。夜半に時間が出来たので、20年振りくらいのリベンジを開始。小さい頃に躓いたものは、大人になればあっさり乗り越えられる。人生そんなもんだと思っていた。甘かった。上記の動画は最後までノーミスでクリアしている動画なので、ネタバレが嫌ならば再生しないようお願いしたい。

1面はどうという事は無い。順当にプレイしていればそこまで酷い目に合う事も無いだろう。ただ、当たり判定の大きさにビビって砲台を撃ちに行けない。お陰で回避行動が増えてヒヤヒヤする場面が多かった。幼少の頃、こんなに苦労した記憶は無いのだが。怒首領蜂の影響だろうか。

2面。中ボスのレーザー連射で全滅。どういう訳か、ここで何度もコンティニューをするハメになった。後ろから来るレーザーと縦座標が合った瞬間、ゾクッとして動けなくなるのだ。また、逆に避けてレーザーに吸い込まれる事数回。僕、こんなに下手だったか。じゃんけんは一発勝利。

3面、ここも中ボスまでは順当。落石地帯で1ミス。ここもこんな鬼畜だったか。幼少の頃は滅多にここで死ぬ事は無かったのだが。ボスは弱い。

4面。道中で1ミスした以外は苦労無くクリア。昔は中ボスの唇が最大の山場で、ここで死にまくっていたのだが、開幕で左側のを1~2個潰しておけば一気に楽になる。ミサイルは必須。ボスはスピードが無いと本当に苦労する。

5面、ここから難易度が更に凶悪になる。ノーモーションで飛んでくる卒塔婆と骸骨の白玉が本当に鬱陶しい。加えて後半の卒塔婆+地蔵の『必殺』の組み合わせに何十回と行く手を阻まれた。昔は白ベル(横ワープ)に頼らずクリアしていたので、負けじと白ベル無しで突破を試みる。結果、スピード×3、レーザー×1、オプション×1、フォースフィールドで何とかクリア。昔はフォースフィールド無しでクリアしていたのだが、今となってはどうやっていたのか見当すらつかない。ボスはスピードとオプションさえあれば余裕。

6面(最終面)。ここまでは順当なほうだと思う。が、しょっぱなの隕石で即死。この隕石、カプセルが発生する直線上に突っ込んでくるよう配置されており、プログラマの悪意が手に取るように伝わってくる。そこから順当に復活して後半へ進むも、最後のプレス地帯で死亡。終わった、と思った。ここを一発で抜けられれば、まだ『バグ』に勝ち目はある。しかし、ここからの復活は本当にキツいのだ。地獄の扉が開いた瞬間だった。

まず、装備が揃わない。前半3個のルーレットカプセルの引きで全てが決まると言っても過言ではなく、2~3個目でダブルを引いた時の絶望感は凄まじい。ダブルは道中とても楽だが、『バグ』との勝負にはあまりにも火力不足なのだ。当然『スカ』は捨てゲー。理想の最終形態は、スピード×3、ミサイル×1、レーザー×1、オプション×1、フォースフィールド。これだけ揃って、ようやく五分といった所。だが、ルーレットでレーザーかオプション、フォースフィールドのうち1つは引かなければ、カプセルが足りないのだ。

次に、弾をかわすスペースが無い。近年のシューティングは砲台に近寄れば弾を撃たないというシステムを導入しているものが多いが、この時代のシューティングは全く遠慮無くゼロ距離射撃してくる。この面最大の敵は、おそらくペンギンダッカーとペンギン砲台だろう。狭い場所で弾を撃たれて、追いつめられて死亡。無理やりスペースに飛び込んでプレスされて死亡。針天井を避けた先に撃ち込まれて死亡と、撃ち漏らした砲台が鬼のピンポイントアタックを仕掛けてくる。パターンを作ろうとするが、毎回微妙にタイミングが変わってまとめきれない。鬼か。

そして、横ワープの白ベルが取れない。ステージの最後、必ず白ベルを取らなければならないのだが、取れる場所はたった2か所。プレスラッシュ地帯と、一番最後の行き止まり直前。個人的には、行き止まり直前のほうがスペースが無く(一個だけある針天井が鬼畜過ぎる)、調整も難しいのでプレスラッシュ地帯で取るよう心掛けているのだが、同時に4つのキャラクタ(ベル、後ろからくるペンギンダッカー、弾、プレス)を見ながら戦うのは、もう曲芸だ。何故このゲームを『クリア不可』と封印したのか、今になって思い出した。

気が付けば、日付が変わっていた。上記3つの条件を突破して強敵『バグ』と対峙したのは、たった5回。コンティニュー回数は100回を軽く超えている。当時ほどの緊張感は無いが、あの弾とレーザーのコンビネーションが強烈で、あと一歩の所でくぐり損ねる。基本は真正面に立って、レーザーが来たら大きく逃げ(ワインダーが怖い)、花の弾が来たら正面より少し上で縦に少しかわす(斜めレーザーが怖い)のが正解だと思う。追いつめられたら前に出て鼻の下へ潜り込む。これで後は持久戦、の筈だ。

フラグが立ったのは26時前。最初のルーレットはダブルで捨てゲーしようか迷ったが、そのまま続けて次がオプション。普通のカプセルでレーザーを装備、3つ目のルーレットはスルーした。残りのカプセルで、2つ目のオプション。スピード×3、ミサイル×1、レーザー×1、オプション×2。本当はオプション×1+フォースフィールドだったら文句の付け様が無いが、この装備でも集中力さえ切れなければ何とかなる。大体ここまで揃う事自体が珍しいのだ。プレス地帯で慎重にベルを調整し、何とか突破。6度目になる、『バグ』とのご対面だ。

どちらかというと、レーザーより花の弾のほうが厄介だ。オプションを縦に伸ばしながら攻撃し、基本に忠実に弾を避け続ける。タイミングが良かったのか、攻撃が止む瞬間が多かったので一気に撃ち込み、すぐ回避。深追いしたらレーザーが来る。3ループほどそれが続く。もう随分撃ち込んだ筈、そろそろ終わってくれても良いんじゃないか。そろそろ緊張感が持たなくなる。頼むからリベンジさせてくれ、と思った瞬間、『バグ』轟沈。両手を挙げた。

夢にまで見たエンディング。20年越しで、ようやく自分の手で見る事が出来た。タイトルデモで出てくる「このゲーム あんまし マジメに せんほうがええで」というセリフに何度疑いを持った事か。見た目はギャグでも、中身は超絶ハードな硬派シューティング。やっと、やっとクリアした。やっと最後のセリフを見る事が出来た。出来れば当時、このセリフを見たかったが、これ以上贅沢は言うまい。当時のコナミスタッフに、心から感謝したい。

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