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A君が来た

宝物です。

A君が事務所に来訪。2人で会ったのはかなり久しぶりだ。折角の機会なので、チョコフレークをつまみながらしっかり話し込ませてもらった。その中で気付いた事を幾つか。

一つ目は、自分の成長を実感した事。今まではどちらかというと、頑張ってA君の話に喰らいついていこう、A君の凄さに迫ろう、という傾向があったのだが、今日はそういった事がまるで無かった。ものづくりに対して、稚拙ながらも自分なりの答えが出せるようになったからか、初めて同じ土俵で話が出来た気がする。より自然になったというべきか。

二つ目は、僕とA君の戦い方が極めて似ていた事。何かを作る時、明確な狙いや完成形を描かず、ただ何となく考えて、何となく作って、こねくりまわしている内に一つの形になっていっている。そこに運や偶然も加味され、出来上がったものを見た時に自分で驚く事もある。「ようこんなもん作ったなあ」と。A君は学生時代からこのスタイルだったのだが、僕はその方法でものづくりが成り立つ事を理解出来なかった(理由や理屈を求めていた)。だが何時の間にか、自分も全く同じスタイルで仕事をこなすようになっていたのだ。理由を求められても、答えられない。『良い』と感じたものを、ただこねくり回して組み上げただけなのだから。

恐らくこれは、一人完結でものづくりをしているからこそ成り立つスタイルなのだと思う。チームで作業をした場合、この考え方では恐らく上手く事が運ばない。僕もA君も、性格的に一人完結が向いているのだろう。ぼんやりした何かが、僕らの最大の武器なのだ。

三つ目は、僕の最大の武器は『見る力』なのだという事。これはA君に言われて初めて気付いた事だったのだが、思い当たる節が有り過ぎて一人で興奮した。だからあれが得意でこれが苦手なのか、と。これは大きな収穫だった。

一頻り話した後、「今作ってるソフトの案なんやけど」とあるメモを見せてくれた。そこに描かれていたのはとてもシンプルな構図で、これだけでは何が出来上がるかさっぱり解らない。これ、ゲームになるん?と聞いた上で開発中のソフトを触らせてもらった。甘かった。成り立っている。しかも面白い。何の説明も無く、ただ皆で歩き回っているだけなのに、信じられないくらい面白い。言葉が無くても、動き方だけで参加者の意思が伝わってくる。何を考えているかが解る。遊び方を開拓しているプレイヤーまで居る。ちょっと衝撃だった。

その他にも、解像度と手動アンチエイリアスの話や、事件を起こすか起こさないかの差は僅かみたいな話、まとまりが付かなくなるから文章を書くのが怖くなる話、実は料理はハヤシライスしか出来ない話など、盛り沢山の4時間だった。卒業して以来、こんな長い事2人で話したのは始めてではないだろうか。あと、貸していた事をすっかり忘れていた『かいしゃいんのメロディー』が返却されてきて笑った。これは名作。

最後に、A君イチオシの動画を掲載する。英国在住のgifアニメ職人、CYRIAK氏の映像作品。これが最新の作品なのだが、一番マシなカオス具合である。「これやったら娘に見せてもええかなあと」とA君。興味がある方は昔の作品もどうぞ。

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