- コンピュータサイエンス史上最大の課題「並列処理による性能向上」~情報処理学会創立50周年記念全国大会の招待講演
http://www.publickey.jp/blog/10/50.html
おお、これは解り易い。Fran Allen氏(コンパイラやプログラミング言語が専門で、女性で初めてチューリング賞を受賞した人だそうだ)が、コンピュータの性能が頭打ちになりつつある現状を優しく講義してくれている。以下、専門用語が解らない人の為に、誤解を恐れずザックリ要約してみる。間違っていたらコンタクトフォームよりお知らせ下さい。
コンピュータの脳みそであるCPUは、年々改良されて処理速度が向上している(14~18ヶ月で性能が倍になる:ムーアの法則)のだが、速度が上がれば上がるほど熱を持つようになり、暴走や事故の危険性から近年ではこれ以上速度を上げられなくなってきている。事実、ここ数年は処理速度の飛躍的な向上は無かったりする。
じゃあどうやって速度を稼ぐのか。現在最もポピュラーな回答として、単純に脳みそを2個にする、という考え方がある。こうする事で、仕事を分担しながらこなす事が出来るようになり、倍とまではいかないまでも大幅な速度向上を望める訳だ。最近良く聞くCore2Duo(脳が2個)やQuad(脳が4個)は、こういう考え方で成り立っている。最近発表されたCorei7なんかは、擬似的に脳を8つにまで増やせるらしい。
だが、ここにも問題がある。幾ら処理する脳が増えたとしても、上手く仕事を分担出来なければ効率が下がるのだ。ある程度はハードウェア(機械)内で割り振りを行っているのだが、それにも限界がある。ではどうすれば良いのか。ソフトウェア自体を並列対応させるように組み上げていけば良いのではないか。
とまあ、こういう話なのだが、ソフトウェアの並列対応にも沢山問題はあるよ、でもこれが何とかなったら劇的にコンピュータは進化するよ、と。その為には「C、Javaのような汎用言語を排除する」なんて大胆な案も提示しているFran Allen氏。何故だかドキドキさせられる講義内容だった。余談だが、スーパーコンピュータなんかはCPU単位ではなく、並列化に特化したコンピュータ同士を並べて成り立たせている。
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