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恐るべし数1

  • 2013-01-27 (日) 0:30
  • 日常

教え子である陸上のMが来訪。それも、高校の宿題を携えて。教え子と言っても学校で何かを教えていた訳では無い。Mは8年前の子ども演劇に出演していた子役で、僕はスタッフとして子供たちを指導していたのだ。今や高1となったM、恐らく勉強に関しては既に僕を凌駕している筈だ。頼れるのはGoogle先生のみ。果たして僕は生き残る事が出来るのか。

「教えて欲しいんは数1なんやけどな」、これはひょっとしたら何とかなるかもしれん。工業高校生だった僕、普通教科は中3レベルと呼んでも差し支えない内容で、英語に至っては「Hi, Mike!」から始まるという衝撃的な教科書を渡された。高2になると普通教科は更に減り、高3では普通教科が数学と物理と体育しか無かったのだ。ちなみにその数学も、微分積分の入り口で終了している。流石工業高校。

テキストを取り出すM。ぐえ、微積がある…しかしそのページには目もくれず、指が止まったページは『統計・分析』だった。何それ聞いた事無い。出てくる単語も、記号すらも見た事が無い。急いでGoogle先生に尋ねながら理解していく。xとかの上に横線が引いてあるヤツ、xの平均って意味なのね。テキストの公式なんかも見ながら必死に学習。何となくは解ってきた。

特にこのページが解りやすかった。二人して音読しながら頭をブンブン振る。改めてテキストの問題集に目を通すと、大体理解が出来るように。何かこういうの懐かしいなあ。ハッキリとした答えがあって、そこへ辿り着く道筋が見えた時の気持ち良さ。昔は毎日こういうのを味わってた。今は答えの無い問題とばっか向き合ってるから、こういうスパーンとした気持ち良さって無いんよね。その代わりに、ゾクッとする気持ち良さがあるんやけど。

何とか一通り問題をクリアして雑談タイム。高校生活なんかについて色々と聞いてみた。聞けば学校が辺鄙なところにあるから、イマイチ青春出来てないと。「もっとさー、学校帰りに買い物とかしてみたいやん?何も無いねん!周り何も無い!」、僕は高校時代は京都駅の近所で遊んどったよ、と言うと「そう言うの!あーもうメッチャ羨ましいわー!」と。気持ちは解らんでもない。

あと驚いたのが、留年・中退する学生がかなり多いという話。どうやらMの通っている高校は昨年定員割れを起こしたらしく、余程悪い事でもしていなければ誰でも入学出来たそうだ。ただ、学内のレベルは決して低くなく、「誰でも入れる」という言葉に踊らされた子は総じてついていけなくなると。結果、中退という道を選ぶらしい。うーん、何と言えば良いのか。

その後、閉店時間までしっかり話し込んでMは帰っていった。色々大変そうやけど、学業に部活に恋愛に頑張って頂戴な。また面白い話、期待してるわ。

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