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2011-04-21

1ヶ月待った最終回


気分転換にちょくちょくアニメは見たりするが、今までリアルタイムで通して観たアニメは一つも無かった。そもそも通して見たのだって、『カウボーイビバップ』と『攻殻機動隊』、後は『エヴァンゲリオン』と『Gガンダム』くらいで、どれも放送終了後にビデオやDVDで観たものだ。そんな僕が、深夜26時40分をひたすら待っていた。

『CM詐欺』『OP詐欺』『3話まで観たら絶対逃げられない』とまで評されたこの作品。実際3話を見て凍り付き、6話で頭を抱えて、8話で発狂、10話でもうどうしていいか解らなくなった。夥しい量の隠し要素、伏線、そして想像を絶する衝撃的展開の連続。中だるみ一切無し。この絵柄、このタイトルで、こんな内容、誰が想像しただろうか。日本どころか海外にまで考察サイトが出現し(超絶ネタバレ注意)、深夜放送にも関わらず、2chで、ニコニコで、twitterで、ふたばで、4chanで、膨大な数の視聴者が毎週固唾を飲んで見守っていた。

今日はそんな『魔法少女まどか☆マギカ』の最終回が放送される。震災の影響で1ヶ月以上延期されたこの日を、どれだけ多くの人が待ち望んでいた事か。2話連続(関東では3話連続)の完結編、ついにスタート。

27時半過ぎ、完結。言葉が出ない。参りました、最高だ。毎回深夜まで起きていた甲斐があった。あれだけの恐ろしい状況を、良くぞ残り2話でまとめ込んだ。もう、これ以上何も言うまい。機会があれば皆様にも、是非1話から通してこの超弩級のジェットコースターを味わっていただきたい。心からお勧めする。一通り見たら、考察サイトを見ると10倍楽しめる事請け合い。

ただしこの作品、お子さんにだけには絶対見せてはいけない。

電話はそれほど得意じゃない

朝から昼から夜から、何度も鳴り続ける僕の携帯。そのどれもが想像を絶する内容で、喜び、焦り、苦悩、脱力と目まぐるしく感情が揺れ動いた。電話だけでこんなに疲れたのは初めてだ。

正直な話、僕はあまり電話が得意では無い。視覚が無い状況で話を展開していくというのは、思った以上に大変だという事に今更ながらに気が付いた。普通に話す分には何時間でも苦労しないが、同じ事を電話でやろうとすると、余程親しい友人でもないと、結構辛い。

まさかの社会見学

元気でした。

朝からA君が入院する病院へ。今日の10時から手術だそうなので、その前に顔を見に行く事にした。「社会見学に来る?」「何かグロテスクな物が撮れるといいね」等と恐ろしい事を言うA君、取り敢えずカメラは持って来た。さてさて、どうしてるかなあと病室を探して尋ねてみたら、Macbookを前に、普通にゲーム開発をしているA君の姿が。12年前の刀根山病院と全く同じ光景で、思わず噴き出す。

A君は元気だった。ちょっと悟ったような表情だ。今の所は痛みも無く、「思った以上に集中して作業出来るわ」との事。なるほど、自宅だと娘さんの相手もあるから、なかなかここまで集中は出来ないのかもしれない。写真撮っとくかと質問したら、実に良い笑顔で収まってくれた。

程無く奥さんが来る。症状も理解していて取り乱した様子も無く、いつも通りだ。聞けばA君の実家(そこそこ遠方)から両親が駆けつけるとの事。電話口でA君のお父さんが「不安やろうからワシらも顔出すわ」と言われたそうだが、口振りから察するに、不安なのはご両親のほうではないかと。そりゃ実の息子だし、二回目だし。

手術開始予定まであと20分、何とかご両親が到着。A君とは15年来の仲だが、親御さんとは実はこれが初対面。写真でも見た事が無かった親御さんと、こんな場面でお会いする事になろうとは。懇切丁寧に個人情報を暴露しながら僕の紹介してくれるA君。一瞬で場が和んだけど恥ずかしいからやめて下さい。取り敢えず写真撮りますか、と集合写真を撮った。シュール極まりない。

腰がやたらほっそり。

予定よりちょっと押しの10時過ぎ、看護師さんがやってきた。ベッドに寝かされる事も無く、皆で歩いて手術室へ移動。ハッとした。手術着モードになったA君の後姿が女性っぽ過ぎる。学生時代、A君にそっくりな女性を3度見かけた事を思い出したとご両親に報告する。どんどんノリがおかしくなってくる。A君があまりにセクシーだったので、エレベーターホールにて全員で撮影大会。ノリノリでポーズを取るA君。看護師さんも噴き出していた。今から手術するって事、みんな忘れてないか。

エレベーターに乗って、降りたらすぐ手術室。別れの挨拶もそこそこに、A君はさっさと手術室に入っていってしまった。そのまま家族用待合室に通される、ご両親、奥さん、僕の4人。ここからA君の過去のエピソードがバンバン出てくる事になる。親御さんからは幼少の頃に描いた漫画の話や、壁の落書きの話、通信簿に毎回赤ペンで『もう少し皆の輪に入りましょう』と書かれていた話を、僕からは学生時代のあらゆるエピソードと洞窟物語の話を、奥さんからは家での話や娘さんの話を。偶然にも、お互いが丁度知らない部分を補完し合う形になって大盛り上がり。看護師さんに怒られた。すいません。

何より一番驚いたのが、A君のお父さんがノートPCを巧みに操って、A君のニュースを読破していた事。ゲームのタイトルも、GDCの事も、仕事仲間の話も全部ご存知。それどころか、検索で引っかかった僕のこのブログまで。「あー、あの記事書いたの君か!」…何だか本当に申し訳ありません。聞けばA君がアメリカに飛び出した頃から、毎日ノートPCを抱えて生活しているそうだ。それまでPCなんか、ほとんど触った事が無かったのに。家族愛。

程無く、娘さんが帰宅する時間となる。迎えついでに食事も済ませて来るので、ちょっとだけ待っていてもらえますかとの事だったので快諾、ノンビリ待つ事にする。そうこうしていると、家族より先にA君の手術が終わってしまって執刀医さんが挨拶に来た。「ご家族の方…じゃないですよね、どうしようかなあ」と言われたので、すぐ連絡を取りましょうかと言うと、「いや、患部を確認して貰いたくて」との事。よく見ると、容器の中に切り取った患部らしきものがある。そして、思いもよらぬ発言が先生から飛び出した。

「撮ります?そのカメラで…後でご家族に見て貰う形で」

まさか、まさか本当にグロテスク(?)なものを撮影する事になろうとは。恐らくこれが最初で最後、Nikon D7000での患部撮影。後で確認したら、ちょっとだけピントがズレていた。己の心の弱さを恥じるも、突然癒着した患部見せられて、平常心で撮影出来るかい。あと、載せられるかい。

麻酔が覚めて手術室から出てくるのと、A君の家族が帰ってきたのがほぼ同時。元気そうな娘さんが飛び出してきた。流石にさっきの写真を見せる訳にはいかないので、コソコソ家族に見せてみた。「うわー」、はい、僕も同じ反応でした。肝心のA君は、まだ麻酔から少ししか覚めていない状態で、体中に管を通していて苦しそうだ。それでも先生曰く、「早けりゃ3日で退院です」との事。本当か。ともかく、あまり長居しても悪いので、挨拶をして病院を後にした。

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