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2010-03-18

山篭りがしたい

全部埋まった記念。

大体いっつもそうなのだが、締切が近づくにつれてアイディアが浮かんだり一手間加えようとしたりして血を吐く。逆にこうしときゃラクだった、何でこれを作っておかなかったのかと嘆く事もあり、総じて頭の中でベトナムが繰り広げられる事になる。当然毎回効率や技術力は上がっているのだが、何分世の中も凄い勢いで進歩するし、全てをカバー出来るほどの実力も持ち合わせていない。嗚呼1週間くらい山篭りがしたい。ただしネットの出来る環境で。

いろいろマン

ラーメンズのコントの中で一番好きなのがこれ。『STUDY』公演は屁理屈だらけでどれも捨て難い面白さなのだが、敢えて揚げるならばこれ。キャラクタもシチュエーションも、言い回しも展開も神懸っている。終始涙が出る程笑うのだが、一切失速する事無く大爆発して終わる。一般向けにも解り易く、言う事が無い名作だと思う。

他の作品も最高に面白いのだが、そもそmどうやってこんなネタを思いつくのか。引き出しの量がハンパ無いのだろうが、それだけでは説明が付かない面白さがある。しかもレポートを読む限り、公演毎に内容を差し替えたり、夥しい量のアドリブを挟んだり(要求したり)している。ラーメンズは特異性のカタマリだ。

ネガティブイメージを持たせるな

尺八のFさん来訪。相変わらず精力的に動き回っておられるようで何よりだ。少し話を聞かせて欲しいとの事だったので、急遽事務所を掃除する。残念ながら平時は散らかりっぱなしの事務所。お越しの際はご一報を。

かなり長い間話をしたのだが、その大部分が『いかに他人に興味を持ってもらうか』という内容だった。僕はものづくりを行う際、初っ端のリリースに出来るだけ労力を割くようにしている。ここで躓くと、挽回するのが本当に難しくなるからだ。

ものの溢れる時代、商品一つ一つを手にとってじっくり観察する機会なんてほとんど無いだろう。顧客の目は肥えに肥え、恐ろしい早さで判断を下して商品を手にする。告知や宣伝情報を持っていない場合、一番最初の判断基準となるのは外観やパッケージだ。いかに中身が良くても、まずは人に気付いて貰わなければ、手に取ってもらう事すらままならない。

さて、今の時代、PCを使えば誰でも気軽にデザインを行う事が出来る。特別な知識が無くても、それなりのものは出来上がるようソフトも進化した。経費削減が声高に叫ばれる中、経営者としては喜ばしい話だろう。だが、大多数のデザインは本当に『それなり』か、もしくはそれ以下の厳しい出来となる事が多い。配色が無茶苦茶だったり、レイアウトが見辛かったり、イメージが伝わらなかったり。趣味ならばそれで良いと思う。が、商品販売でそれを使うのはどうか。

結果は悲惨なもので、気付いて貰えない、関心を持たれないのならまだ良いほう、ヘタをすると「これはちょっと…」と敬遠される可能性もある。僕が一番恐れているのはこれだ。一度ネガティブなイメージが根付くと、その顧客にどれだけ訴えかけても「でもなあ…」という否定や疑いから入られてしまうのだ。例え次の商品で外観が良くなったとしても、この思考はそう簡単には覆せない。

「最初はまあこんなもんで、次から良くしていきましょう」なんて話は通らないと僕は考える。挽回するチャンスすら貰えない事が多いのだ。経費削減を謳って売上を自ら下げるという構図は、悲しいジョークとしか思えない。

こんな話をしながら、前職で使っていたペラペラの社用名刺を思い出していた。

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