- 2013-09-22 (日) 0:40
- 日常
インディーズゲームコーナーにはインディーズゲームフェス2013というステージが用意されていて、随時イベントが開催されていた。といっても、ブースのエリアと背中合わせで設置されていて、こちらから直接様子を見ることは出来ない。ブースめぐりの合間にチラッと観に行ったんだけども、何かエラい事になっていた。ブースの数倍、人が居る。
まず実況主の部屋。どうやらここでインディーゲームのニコ生実況をやっているようだ。見えない。女子率が極めて高いという、おおよそ普通のゲームイベントでは見かけられない光景だ。この光景、どっかで見た事あるなあと思ったらバンドのライブだこれ。昔、ライブハウスとかでよく見た光景だ。流石にワーキャーといった黄色い声が飛び交う事は無かったけども、近くに寄ると恐ろしい熱量を感じる。時代は変わったなあ。実際、上手い人の実況はメチャクチャ面白いんだけどね。僕もちょくちょく見てます、ひえぴたとユウキのお二人とか大好きで。
ステージの方では、今日は東方のライブなど様々なイベントが行われていたようだ。そして最後のステージとして、インディーゲーム開発者によるトークライブが開催されるとの事。ここに我らがボスならむらさんも登場する。錚々たるメンバーだ。何となく、『(他)事件』を思い出す。
(他)事件
GDCにて講演する6人の日本人を紹介するニュース記事にて、記事の冒頭で6人中5人まで紹介されたのに、ならむらさんだけ「~氏など」と紹介をすっ飛ばされた事件。渡米前、「あと2年は言い続けてやる」と真っ黒な笑みを浮かべていたならむらさんを今でも鮮明に思い出す。
- GDC、日本人講演セッションの概要を公開(GAME Watch)
http://game.watch.impress.co.jp/docs/news/20130312_591338.html
程無くトークライブがスタート。メンバーは、稲船敬二さん(concept)、遠藤琢磨さん(アクワイア)、南治一徳さん(ビサイド)、馬場功淳さん(コロプラ)、ならむらさんこと楢村匠さん(NIGORO)、飯田和敏さん(チーム・モンケン)、なるさん(えーでるわいす)、Nicolaiさん(エンドレスシラフ)、BitSummitでお会いした大前広樹さん(ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン)。更に、エリック・シャイさんの講演でお会いした木村祥朗さん(Onion Games)も横のブースから飛び入り参加。頑張れならむらさん。そして頑張ってビデオカメラマンのtaigooooさん。遠い所からの撮影なので、僕らは腕をいっぱいに伸ばして撮っている。気付いたら池谷さんやAGMの営業Iさんもすぐ横に。
- [TGS 2013]稲船敬二氏らゲームクリエイターがインディーズゲーム事情を熱く語った,スペシャルトークライブをレポート(4Gamer.net)
http://www.4gamer.net/games/999/G999905/20130924067/ - 「インディーズゲームフェス」ステージに稲船敬二氏らが登壇(GAME Watch)
http://game.watch.impress.co.jp/docs/news/20130923_616502.html
トークショーのほうは稲船さんと大前さんを中心につつがなく進み、ならむらさんが何かヤバいものを仕掛ける事も無く(内心ちょっと期待していた)無事終了。ビッグサイトの閉館を告げる蛍の光が流れる中、ギリギリのギリギリまでトークが続けられる良いセッションだった。内容に関しては、各種メディアが報じられているのでそちらをご覧頂ければと…と思ったら、こっちも稲船さんの話ばかりか。皆さん色々喋ってたのになあ。録音しておくべきだったか。ニコニコのプレミアム会員の方は、こちらからタイムシフトで視られるようなので是非。
見ていて感じたのは、やはり稲船さんの圧倒的な認知度と話題性だった。出て来ただけでどよめきが起こり、(Mighty No.9のKickstarterの件もあって)その発言ひとつひとつを観客が集中して聞いていた。当たり前の話なんだけれども、実績があって、認知度があって、話題性のある人は強い。が、インディーでこの3つが揃うチームというのはなかなか無い訳で。だからこそPLAYISMさんたちが頑張って色んな活動をしている訳で。
最後に、大ホールを少しだけ覗きに行った時の写真も掲載しておこう。これ、全体のほんの一部に過ぎない。右を見渡しても、左を見渡しても、ずっと奥を見渡しても、何処もかしこもこんな感じだった。TGS初参戦どころか大きな展示会にほとんど行った事の無い僕にとって、この光景は忘れられないものとなる。
TGSの期間中、「人ごみに疲れた時の息抜きに、インディーズゲームコーナーへどうぞ!」といったアナウンスを聞いて、個人的にイラッとしていた。そうか、ここは息抜きかと。厳しい条件の中みんな必死こいて頑張ってんのに、息抜きかと。わざわざ国外からも来てくれてるんやぞと。が、この光景を見て、僕は別のショックを受けた。ブースの規模や参加企業・ゲームのラインナップ、かかってるお金を考えれば当然なんだろうけども、強烈なまでの『認知度の差』を感じてしまったのだ。
また、インディーズゲームフェスのステージがあれだけ盛り上がっていたのに、そのお客さんがあまりブースに流れてこないという事にも感じるものがあった。ブースとステージの方向が逆を向いているというのも大きな要因だろうけども、これだけのお客さんはステージが終わった後、何処へ行ってしまったんだろうかと。主役は実況者で、ゲームはオマケなのかと。
この2年ほどの間、僕は洞窟物語やLa-Mulana、そしてPLAYISMさんと接する機会に恵まれ、色んなものを目にしてきたつもりだった。日本のインディーゲームも着実に広まってきているなと勝手に思っていた。しかしNIGOROさんやPLAYISMさんに話を伺うと、「いやいや、まだまだですよ…」と返ってくる。そういうものなのかな、謙遜なのかなと思っていた。だが今日、この大ホールで、自分の目が内側にしか向いていなかった事を思い知らされた。日本のインディーゲームは、まだごく一部でしか盛り上がっていないのだ。
ただ幸いな事に、国内外のメディアが各ブースに集まってくれて、記事を探してみると思った以上にインディーゲームを取り上げて貰えたようだ(BitSummitでお会いした方も多数居られた)。本当に有難い事だと思う。国内での認知活動はまだ始まったばかりと言えるこの業界。大ホールやステージに来ていたお客さんにも、こちらを向いて貰えるように努力しなければならない。僕に出来る事と言えば、日記を書いたり写真を撮ったりすることくらいなんだけれども。それにしてもまさか人生初のTGSで、こんな複雑な気持ちになるとは思いもしなかった。
とにもかくにもTGSは無事閉幕した。しかし今日の本当のメインは、このあと東京の品川で待っているのだ。
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