Home > Archives > 2013-09-10

2013-09-10

一泊二日の弾丸撮影ツアー・超二日目

午前4時過ぎ起床。結局0時頃まで作業をしていたので、4時間しか寝ていない。睡眠時間が短いとパフォーマンスが著しく低下する僕だけれども、今日に限っては上がりっぱなしだ。夜明け前の砂丘ですよ。そうそう見られるモンじゃない。すぐにホテルのロビーへ降りて集合。撮影機材を抱えて、車で砂丘へ。夜明け前の車内にSOFTBALLETの『No Pleasure』が鳴り響く。いやー爽やかな朝ですなー。気になる人は探してみると僕らと同じ気分になれます。

5時、鳥取砂丘着。日の出まで30分、真っ暗で、誰も居ない砂丘。振りかえれば、空がほんの少しだけ色づき始めている。日の出に合わせて撮影を始めるので、少し待機。9月と言うのにちょっと寒い。

徐々に東の空が白んできた。昨日下見したポイントまで歩いていく。歩いてみると解るんだけれども、登り降りは踏み固まった場所も足を取られて消耗する。息切れを起こすPANDAさんと僕に「これしきで!だらしない!」と最年長のならむらさん。元気な人だ。

程無く日の出を迎える。少しずつ観光客も出始めているようだが、問題無くロケは敢行出来そうだ。必死に台本を反芻するならむらさん。今日は一発撮りのシーンもあるので、より気合が入っている。

幾つかのシーンを撮り終え、「じゃあ次、あそこから転げ落ちるから」と高台を指さしてならむらさんが言う。ホントにやるんですかと尋ねたら、「その為に汚れても良い服持って来たんだから」と妙に嬉しそうだ。

都合、2回も転げ落ちるならむらさん。よく見たら落下中も笑顔である。そうか、ならむらさんは身体を張るのが好きなタイプだったんだ。結構な勢いで転げ落ちてきて、噴き出しそうなのを舌を噛んで我慢した。ご存知だとは思いますが、この人は日本有数のインディーゲームクリエイターです。

「じゃあ次、あのデカい水たまり行くから」

良いですか皆さん、NIGOROさんはネタの為なら一切妥協しません。行けると思ったら、床を踏み抜くほどにアクセルをべた踏みするんです。人をハメるのも大好きだし、自分をネタにするのも大好き。素敵なチームなんですよ。そうそう、結局このダイブも2回撮ってます。インサート用に使う為、20秒近く顔を突っ込んでました。

ここで朝食の時間が近づいたので一旦撤収、シャワーで汗を流してチェックアウト。再び砂丘へ戻ってきた。途中、また不可思議な道路標識を見つける。こんな大ざっぱな標識見たこと無いぞ。鳥取どうなってんだ、そんなに京都が好きか。

海の似合う男、ならむらさん。潮風と細かい砂が大敵のカメラチーム、色々と肝を冷やす。

これにて鳥取での撮影は終了。ラストのロケ地は兵庫の豊岡である。「9号線とかで、内陸を走ればかなり早く着くんだけども…」というPANDAさんに、「ドライブは海が見えないと面白くない」とならむらさん。若干時間に余裕があるという事で、日本海沿いのコースを取る事に。

国道178号線を突き進み、海を眺める。いやー気持ち良い。南を見れば、砂を利用した砂畑(!)が広がっている。調べてみたら、ナガイモやらっきょうが取れるらしい。砂でも作物は育つのか。不思議なものをみた。

少し走ったら小腹が空いてきたので、浦富海岸の遊覧船乗り場へ寄ってみた。この辺りはイカが良く捕れるらしく、店の前で勢いよくイカ乾燥機が回転している。生で見るのが初めての僕、超ハイテンション。ホントにこうやって干すんだ、と感激してたら「瀬戸内海じゃ何処でも見かける光景だね」とならむらさん。良いなあ、イカ干すの羨ましいなあ。ちなみにこの写真、僕がこの旅で一番気に入ってる写真です。

この遊覧船乗り場、お土産屋とレストランが併設されている。これでもかという位のイカ押しで、僕らはイカ墨カレーをゲットしたり、イカの姿焼きや天ぷらを食ったりで大はしゃぎ。超新鮮、超美味しい。が、ここではしゃぎ過ぎて貴重な時間を浪費してしまう。

車は再び東を目指す。海岸とはいえそこそこに高い所を走っている我々、あちこちで絶景を目にした。この辺りの海は透明度が非常に高い。遊覧船やダイビングなんか最高やろうなあ。世間的には夏休みも終わり、海水浴のシーズンでもなくなったので人影はまばらだ。良い所ですよ山陰は。と、PANDAさんがしきりに時計に目をやり出した。「大分押してます、ヤバいです」、嫌な汗が出る我々。しかしならむらさんは「城崎近いやん、絶対温泉行くぞ」と重度の温泉病を発症。「撮影しに来てるって言ってんだろ、温泉は仕事じゃねえ!」、ですよね。そんな我々をあざ笑うかのように、眼前の標識に『湯』の文字が。

しばらく走り、余部に突入。余部鉄橋の余部ってこんな所にあったのか。休憩も兼ねて余部の道の駅へ立ち寄った。今はコンクリート橋に変わっているんだけども、鉄橋部分も観光施設として一部残されている。鉄橋部分を見上げて、ここを列車が走ってたんだと思うとちょっとゾクッとした。転落事故の記憶もまだ残ってるしね。

道の駅では、ならむらさんがまた何かやらかしていた。あと、店内にあったポスターが素敵過ぎたのでこちらも撮影。何という昭和感。PANDAさんは相変わらず買い食いをしている。自由なチームだ。

車は海を離れ、山の中に入っていく。数々のトンネルを抜け、ようやく豊岡へ突入。途中、時間が押してるのにプラボ豊岡店を見つけて「こういう所には思わぬレゲー(レトロゲーム)が置いてあるんだって!」と店内突入、予想に反して最新ゲーム機しか見当たらず、くずおれるようにして車に戻ったりした。結局この旅最後のロケ地である玄武洞に到着したのは13時半。1時間押しである。

ここもまた、国内とは思えないような光景が広がっていた。上から下まで全部玄武岩の柱状節理。規模が大き過ぎて、僕のカメラでは収まりきらない。何処もかしこも幾何学的で、まるでセットのように見えてしまう。洞窟部分は昔の人が岩を採掘した結果出来たものらしく、自然物ではないそうだ。

早速撮影を開始するものの、どうやらここは人気のある観光地のようで、ひっきりなしに観光客がやってくる。その上、マイクを持ったガイドさんも居るので、待ちの状態がかなり長くなってしまった。ならむらさんはひたすらセリフを練習している。撮影班はややバテで木陰に座り込んでいる。人が引いた瞬間を見計らい撮影開始。カメラが回り始めたら、後は祈るのみ。終れ、終れ、終った!

ちなみに、撮影に使われたMSXカセットは簡易ながら防水加工がされてあった。「貴重なMSXのソフトだからな、壊すわけにはいかん」とならむらさん。ハイドライドもロマンシアもアラモも、今となっては稀少ですもんね。

撮影終了後、すぐそばにあった玄武洞ミュージアムで休憩。やっと落ち着けた。喫茶があったので、そこでお茶を頂きながらこの旅で撮影したVのチェックを行う。どれも国内で撮影したとは思えないものばかりで、その上ネタ満載だ。これにて今回のお仕事はコンプリート。お疲れ様でした。

「よし、温泉行くぞ!」、この言葉を発したのはならむらさんではなく、PANDAさんである。いや、さっきまで温泉は仕事じゃないって「何言ってんだ、ここまで来て温泉入らずに帰れるか!温泉入るのも仕事だ!」、ですよね。僕は昨年城崎を訪れたばかりなので、道もよく覚えている。どうぞこちらです。

その後、足湯を堪能しながら温泉卵を食し、一番人気と言われるさとの湯で寛ぎ、お土産屋さんを巡ってようやく帰路に就いた。実は「晩飯は出石そばにしようぜ!」とならむらさんが興奮していたんだけども、探す店探す店、閉店が17時~18時(!)とかなり早かった為断念。イカ墨カレーと温泉が仇となった。「次来るときは、もうちょっと西にも足を延ばして出雲行きたいよね」、それ良いですね。ところでスケジュールを見ると、もう新大阪に到着してる時刻なんですが。

ここで衝撃的なニュースが飛び込んできた。IndieGoGoでの資金集めに成功していたヤタガラスチームの口座が、いきなり凍結されたというのだ。同じクラウドファウンディングであるKickStraterを使う為に頑張ってきた僕ら、顔面蒼白。「一度成功した資金を押さえられるなんて…」、PANDAさんが各所にすぐ問い合わせて現状把握に努めた。車内が一気に張り詰める。ヤタガラスチームはLa-Mulanaと同じくPLAYISMさんでの販売を行っていたので、余計に衝撃が大きかった。幸いにしてこの問題は早期解決されたようだ。ホントに良かった。

ここから後はひたすら南を目指して運転する。辺りは真っ暗で、黙って運転しているとホントに怖いので常時テンションを上げる僕ら。たまたま見かけたバス乗り場を撮影したら、超ホラー写真になってしまった。実はこれが、この旅最後の写真だったりする。舞狂口て。

神戸・大阪が近付くにつれ、どんどん街の明かりが目に入ってきた。「文明だ!文明が帰ってきた!」と叫ぶ我々。街の明かりでこれほど安堵したのは初めてだ。結局18時解散の予定が21時半着と押しに押したが、新大阪に到着した時の達成感は凄まじいものがあった。あちこち走って、写真撮りまくって、買い食いして、風呂入って、バカ騒ぎして。まるで修学旅行のようだった2日間。オッサンになってからこんな面白い体験が出来るとは。PANDAさんならむらさん、巻き込んでくれて本当に有難うございました。あとは頑張ってPV完成させて下さい。NIGOROの底力を見せつけて下さい。

で、実はこのメンツで今月もう一回無茶やるんだけどね。

Home > Archives > 2013-09-10

Search
Feeds
Meta

Return to page top