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一泊二日の弾丸撮影ツアー・超初日

  • 2013-09-09 (月) 0:30
  • 日常

ついにこの日がやってきてしまった。『日本に見えない場所でLa-Mulana2のKickStarterプロモビデオ撮影』本番当日である。下見の時と同じく午前5時に起床、今日は岡山からNIGOROのボスであるならむらさんも参加するという事で新大阪集合となっている。晴れて良かった。

1泊2日の撮影旅行という事もあって荷物はパンパン。僕のほうは、Nikon D7000にスピードライト、VANGUARDの三脚といったフル装備。主に写真撮影を担当する。PANDAさんはこの日の為にCanon 70Dを購入し(!)、使うかどうかは解らないけどもハンドヘルドスタビライザースレッド GLIDECAM HD-200も投入、映像撮影を担当する。お互い何かあった時はカメラや身体を提供し合えるツーマンセルだ。念の為に申し上げるが、僕らの本業はWeb屋である。

そして本日の主役・主演であるならむらさん。荷物こそ少ないが、やるべきことはかなり多く大変そうだ。台本を見る限り、カット数も多く長セリフも結構ある。3人とも演劇に関わっていた事があるので、最低限度の勝手は解るんだけども、何もかもがぶっつけ本番の今回。そうすんなり上手く行くかどうか。

7時、新大阪駅着。ちょうどみんな集まったばかりのようだ。さー今日も一日頑張りましょう、と声を出した所でならむらさんがスッと本を差し出してきた。

「お世話になっております」

え、ちょ、これ、何ですか、どういう事ですか。「いやあ、ここん所ずっとお世話になってるみたいだから、プレゼントしようと」と事もなげに言うならむらさん。いやいやいや、これオールアバウト・ナムコII(再販版)でしょ、中古でもプレミアついて1万近くする超レアな本ですよ!しかも状態が良い!「だって、この前探してるってtweetしてたでしょ?」、いやいやいや。してましたけども。「La-Mulana作る時にドット絵の参考書として使ってたんだけれども、もう使わないから、あげる」、ぎゃあ。オロオロする僕を見て大笑いするならむらさん。

兎にも角にも出発だ。最初のロケ地は先日下見に行ったばかりである和歌山の加太。友ヶ島ではなく、国民休暇村そばの加太砲台跡へと向かう。もしものトラブル(先客が居て撮影出来ない等)を考え、念の為に友ヶ島行きも考えてフェリーの発着時間までには到着したいとPANDAさん。フェリーは2時間に1本しか無いので、逃したらとんでもない事になる。「この時間帯、高速って言っても大阪市内は通勤で混むかもしれないからね」、PANDAさんの表情は真剣だ。

車は大阪の中心街を避け湾岸線へ。ここまでくれば一安心だ。途中、泉佐野PAで休憩を取ったんだけども、誰も居ない展望台にポツンと古いゲーム筐体が。『リッジレーサー2』『タイムクライシス1』『電車でGO!2』という哀愁漂う渋いラインナップだ。また状態が良いのが何とも。

再び高速へ。車内はならむらさんセレクトのBGMが延々と鳴り続けている。主に、というかほぼ80年代で統一されていて、チェッカーズや米米CLUB、マイケルジャクソンなどご機嫌なナンバーが続く。マイケルジャクソンの時なんか、ならむらさんとPANDAさんが「ポーゥ」「ポーゥ」叫び続けて大変なことになった。合間に『水曜どうでしょう』のネタを挟んだり、醜い言葉のボクシングを繰り広げたりと、一瞬の隙もないネタ合戦が続く。当然、僕も巻き込まれてます。

聞けばならむらさん、旅行をするのが好きなんだそうだ。仕事が煮詰まると車に乗って一人旅に出る(連絡手段すら断って失踪する)そうで、今回の撮影旅行の下見(日本海側)も一人で行っていたとの事。車中泊も全く苦にならないようで、「今日と同じく常時叫びながら走ってるね!」と良い笑顔を見せる。今日一日で、ならむらさんのイメージが一変した。

9時半、加太砲台着。ほぼ予定通りの進行に「抜群のスケジューリングだろ!」とドヤ顔のPANDAさん。早速ロケ地へ入っていく。平日の朝という事もあって、人影はほとんど無い。影の具合がより遺跡っぽさを出してくれて良い感じだ。台本を読みながら、何処でどう喋るかをササッと打ち合わせ。まとまったら即本番。

が、意外な事にならむらさんがNGを連発。セリフが頭に入りきらないようだ。「演技なんか久々にやるから緊張するんだよー」と苦笑するならむらさん。そこへ何と人影が。別のロケ隊がやってきてしまったのだ。和歌山市の車も同行しているようで、結構な人数のスタッフが何かしらの準備を始めている。マズい。幸いこちらの場所はまだ使わないようなので、コソコソと撮影を続行。頑張れならむらさん。

数をこなすうちに、少しずつ乗ってきたならむらさん。「ちょっと汚れてないと不自然だよな」と濡れ落ち葉の中にダイブし、その場の思いつきで派手なアクションを入れ始める。更には「隠し玉」とMSXのカセットを取り出しアクション。撮影班の意表を突いてどうするんですか。笑いを堪えるのに相当苦労した。また、何処から現れたのか、大きな蟹まで出て来て現場は騒然。

結局予定より早く撮影は完了、面白い画が沢山撮れて一安心だ。「お邪魔しました!」と後から来たロケ隊の方に挨拶をすると「ロケですか?」と尋ねられて、一瞬返答に詰まる。平日の朝っぱらからゴツいオッサン3人で何やってるんや、と言われてるかのような。ちゃんと答えましたけどね。そそくさと現場を撤収、駐車場に戻ってPANDAさんに言われるがままに怪しげなスナップを何枚も撮る。このボードはPANDAさんの隠し玉である。何でこの人たちは人の意表ばっかり突いてくるんだろうか。

少し時間が余ったので国民休暇村へ。ここ、地下1階に大浴場があるんですよねと言うと、ならむらさんが「風呂があるなら入らねばなるまい」と鋭く反応。実はならむらさん、「メシか風呂かどっちか選べと言われたら、風呂を取る」という程の風呂(温泉)馬鹿であった。「何言ってんすか、風呂なんか入ってたら次のロケ地に間に合わないすよ!」とPANDAさん、「でも風呂あるなら入るしかないだろ!」と食い下がるならむらさん。「仕事で来てんだよ!」「風呂入るのも仕事だ!」「仕事じゃねえよ!」、良いコンビだ。

テラスに出て、瀬戸内海を眺める。良い眺めだ、南を向けば太平洋か。と、ここでふと気が付いた。次のロケ地って鳥取ですよね、じゃあ僕ら、一日で太平洋と瀬戸内海と日本海を見るって事ですか?という質問に、PANDAさんとならむらさんが「あ」という顔をした。

そう、僕らはこれから鳥取へ向かう。あまりに遠過ぎてピンときていなかった我々だが、図らずも僕の一言で旅の無茶苦茶さを理解してしまったのだ。和歌山から大阪、兵庫、岡山、そして鳥取。その走行距離、およそ290km。日の入りまでには砂丘に到着して、明日のロケハンをしなければならない。ちなみに新大阪からここ和歌山まで、既に80kmを走破している。合計370km。後から分かったんだけれども、これは東京と京都を直線で結んだ距離と同じになる。笑うしかない。

少しでも余裕が出来たのなら、距離を稼がなければならない。11時半、加太を出発。前回のロケハンの時と同じラーメン屋に寄り、高速に乗って一気に北上。3人で交代しながら突き進む。幸い3人とも運転が好きで、喋るのも好きで、長時間ドライブが苦にならないタイプだった。「岡山に住んでると、北が山、南が海になってて、それが当然だと思って育ってきたんだよね」「でも日本海側だと南が山で北が海でしょ?あっちのほう下見に行った時、気持ち悪くってさあ」とならむらさん。解りますそういうの。

「あ、そうそう、しゅうさんこれまだ見てなかったよね!」と、突然PANDAさんがカバンを漁りだす。取り出だしたるは、特製ならむらさんフィギュア(非売品)。これ、この前のブログ記事に出てたヤツじゃないですか!色塗ったんですか?「いや、TGSに向けて量産してる」、何故!?「配るの」、配る!?そうこうしているうちに大阪・兵庫と抜けて岡山突入。地元なのでならむらさんがちょっと嬉しそうだ。

中国自動車道から、出来立てホヤホヤの鳥取自動車道へ。ここはまだカーナビに登録されてない道で、画面を見ると道路も何も無い山中を疾走していて一同バカ受け。途中、岡山県の西粟倉村にある道の駅へ寄ってみた。露店で鳥取の梨を売っていて「鳥取近いぞ!」「岡山の特産物売れよ!」とテンションが上がる。ここの道の駅、すぐ側に清流が流れていて、綺麗なテラスも用意されている。お土産も充実していて非常に良い所だった。お勧めです。

再び鳥取へ向けてスタート。「80年代の曲しか無いけど、色々入ってるから好きな曲かけて良いよ」とならむらさんにiPhoneを手渡される。どれどれ…あれ、SOFTBALLETあるじゃないですか!「あれ?SOFTBALLET知ってるの?」、カセットテープのウォークマンで通学中にずっと聴いてましたよ。「そうなの?La-MulanaのBGM元ネタ、SOFTBALLETだらけよ!」、ええええ!「いや実は、ゲームの曲書く時って他のゲーム曲からは一切影響を受けないのよ、大体80年代の曲に影響を受けてる」「SOFTBALLETなんか曲が展開しまくってて、イントロとアウトロで全く別の曲みたいになってるでしょ?そういうのが好きなんだよね」、なるほど。詳しくは以下の動画をご覧頂ければ。


ここから後、鳥取到着まで車内はSOFTBALLET一色になる。今度は僕とならむらさんが「サルンマサルンマ」と絶叫。解る人にだけ解って頂ければ。

ならむらさん、SOFTBALLETだけではなくSCHAFT(BUCK-TICKの今井寿とSOFTBALLETの藤井麻輝によるユニット)も持っていて大興奮。『Information』がかかる頃、とうとう鳥取に到着した。予定よりも1時間早い16時半着という事で、先に砂丘の下見に行く事になる。PANDAさんと僕にとっては人生初の砂丘だ。砂丘前の駐車場は有料だったんだけども、窓口の人が「あと10分待って貰ったら、ここの営業時間が終わって無料で停め放題になりますよ!」と教えてくれた。良いのかそれで。

そうそう、道中気になったんだけどもこの看板おかしくないか。米子(砂丘より西)と京都(砂丘よりメチャクチャ東)が同じ方面って。大体『京都』って大ざっぱ過ぎるだろ、京丹後市とか舞鶴とかじゃないのか。それに、間にある兵庫の豊岡は無視か。

うおおおおおお。圧倒的砂丘。想像してたよりもずっと大きい。高低差もかなりある。こんな光景が日本で見られるとは思わなかった。撮影班、テンションが上がり過ぎておかしくなる。

だって、ちょっと撮っただけでこれですよ。他所じゃ絶対撮れないですってこんな写真。長旅の疲れも本来の仕事も忘れて「来て良かった、ホントに来て良かった!」とシャッターを切りまくる僕ら。良いカメラ持ってる人、鳥取砂丘マジでお勧めです。

時間もあったので、追加で幾つか収録を行った。人が沢山歩いている場所は砂が踏み固まっているので、出来るだけ人の通っていない場所を探す。前日に雨が降っていた事もあって、やや砂が固かったんだけれども、それでも撮影に適した場所は沢山あった。鳥取最高、砂丘最高。

19時、ホテル着。これにて本日全ての行程をクリア。荷物を整理してから市街へ繰り出し、「ここまで来たなら海の幸!」とPANDAさんが事前に調査していた海鮮系居酒屋へ。しこたま食って飲んで、さあ明日も早いから帰りますか!と席を立とうとすると「この近くに温泉がある」とならむらさん。僕らもう体力残ってないです、それに帰って少し作業しないと…「じゃあ俺だけでも行く、温泉があるのに入らずに帰るなど許し難い」、何処にそんな体力が。それではまた明日、日の出前にお会いしましょう。

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