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2013-08-27

目を閉じ、耳をふさいで

35っていうと、何となくギリギリアラサーって感じがするじゃないですか。四捨五入しちゃったらアレですけど、『5』というキリの良い数字がまだまだバリバリの三十路だぜ的な。そういった気持ちで1年頑張ってきた訳ですが、今日また見事にインクリメントしましてね。僕の心は見事に折れたわけです。36て。3回目の年男て。

今日が誕生日である事を、出来れば家族以外に悟られずに一日過ごしたい。逃避する事で頭がいっぱいな僕はそう考えた。しかしSNSは残酷である。僕の誕生日をわざわざメールやメッセージで自動的にお知らせし、気が付いたときにはお祝いメッセージがガンガン着弾し始めていた。ヤメテー ミナイデー ミナイデー

20代最後の日にリビングで撮影したパンイチ写真を見ながら、あの時よりも寧ろ今のほうがダメージが大きい事に気が付いた。三十路になるのはアッサリ諦めがついたんだけども、アラフォーと呼ばれる事に関しては胃液が逆流し脂汗が滲む。そんな心の準備、全くしてなかった。お祝いメッセージが着弾する度、肩を捕まれるような感覚に襲われ、更なる逃避行為に走ろうとする。そうだ、若い教え子たちと話をして若さを分けてもらおう。おーい、僕きょう君たちと同じ18歳になったんだよー。

「おめでとう、ちょうど私の倍の年やな」

現役JKの放った言葉は亜光速で僕の脳に突き刺さり、辛うじて僕を支えていた何かが、爆散した。僕はランニングに出た。道中、鹿のつがいと遭遇した。今から思えばあれはきっと、山の神が遣わせた何らかの励ましだったんだろう。奈良公園で昼間に見る鹿と違って、夜のランニング中に出くわす鹿は半端無く怖い。てか何で居るんよ、住宅街まで50mくらいよ。勘弁して下さい。

きょういちばんのおもいでは、おいしいおにくをたべられたことです。あとのことはもうぜんぶわすれようとおもいます。ありがとうございました。

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