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2011-11-04

東京で会って、東京で別れる

8時半起床。窓の外は秋葉原。あー、まだ東京に居るんやな。ヴィアイン秋葉原のシングルはそれほど広くは無いのだが、とにかく綺麗で過ごしやすかった。ネット割引で6,000円弱だったし、駅もそれなりに近いし、サービスも悪くないし。エレベータが遅いのが唯一のネックか。階段があるならそっちを使いたいけど、同じ事を考えた人らで混雑するか。

さて、これからどうするか。こっちで会う予定だった友人達が次々に倒れてしまい、結局今日は一人行動だ。カメラ片手に徘徊して、素材集めでもしようか。取り敢えず、まずは目の前の秋葉原だ。ロッカーにクソ重たい着替え類を詰め込んで、いざオタクの聖地へ。

最近じゃこういう雰囲気のお店も少なくなってしまったようだ。僕が初めて秋葉原へ足を運んだのは高校の頃で、その時はまだ至る所にこういうお店があった。店頭に「盗聴器あります」なんて張り紙があって、これが秋葉原なのかと足がすくんだものだ。

その後、有名なゲーセンの『HEY』へ立ち寄ってみた。物凄い数のシューティングがあり、初代3画面『ダライアス』の隣に最新作の『ダライアスバースト』が置いてある。折角なので数年振りに怒首領蜂をプレイ。下手にはなってるけど、意外に身体が覚えてる。まあ結局5面で全滅しちゃったんだけども。ボムをまるごと抱えたまま死にまくって凹む。最盛期はA-Lで2週目の5面まで行けたんだけどなあ。

秋葉原の朝は遅いようだ。重たい荷物から、せめてノートPCだけでも別のカバンに移せないかとカバン探しの旅に移行したのだが、開いている店が見当たらず、結局ヨドバシに辿り着いてしまう。秋葉原まで来てヨドバシか。肩掛けカバン購入、随分楽になった。

そのまま宛ても無くフラフラ歩いていたら、目の前にカレー屋が見えた。あの外国人記者が絶賛したゴーゴーカレーじゃないか。関西では見かける事が無かったので、折角だからちょっと早いお昼にするかと思ったらPANDAさんから連絡が。「事務所来る?」、行きます。する事無くなりそうだったんで。

電車を乗り継いで20分ほど、ASTERIZMの本拠地へと向かう。駅を出てみたら、天谷君とスカイツリーが鎮座していた。スカイツリーでけえ。でも色気ねえ。ライトが入ったら、また違って見えるんだろうか。「これ倒れて来たら、助からんよね」と呑気な話をしながら徒歩数分、アジト到着。PANDAさんとならむらさんが居た。昨日の続きが始まる。

Mac2台にWindows2台、情報交換のスタート。昨日撮影した写真データをならむらさんへ。代わりに、イベントの動画データを貰った。これでいつでも一人反省会が出来る。正直観るのが怖い。そのままメシでも食いに行きますか、という話になって外へ出た。ついでにスカイツリーの撮影ポイントを紹介して貰えるとの事だったのだが、道中色々と面白いものが目に入る。

「あそこに何かある」とPANDAさん。どうやらスカイツリーの撮影スポットのようなのだが、近付くにつれ全員半笑いになっていく。東武鉄道が用意してくれた『スカイツリー撮影広場』だそうだが、何というか。すぐ側にある踏切の中からのほうが絶景なのだが、色々危ないので撮影禁止の看板が出されいる。どうやらその代わりとしてここを提供したみたいなんだけども。手前の花壇には、色褪せたプラスチックの造花が飾られている。もうちょっと何とかならんかったんか。スカイツリーとのコントラストがハンパ無い。

スカイツリーをグルッと回るように歩きつつ飯屋を探したのだが、結局目ぼしい店が見当たらず、辿り着いたのがお蕎麦屋さん。メニューを見たら、何故かカレーがあった。「NIGOROでは、会うと必ず一度はカレーを食う」というルールがあるとか無いとかだそうなので、結局4人ともソバとカレーのセットを食う事になった。すいまーせん、ざるそばとカレーのセット。

「はい、ソバのアイスね」

聞きなれない単語を耳にし、動きが止まる我々。東京じゃそう呼ぶんですかとPANDAさんに聞いたら、「いやいや、初耳よ」と。ですよね。勿論岡山でも関西でも聞いた事が無い。出て来たのは普通のカレーとざるそばのセットでした。普通に美味しかったです。この時撮影した写真が、まさかあんな使われ方をされようとは誰が思ったか。

お昼を頂きながら、昨日の反省会や演劇なんかの話をした。面白い所に共通点があったりして、エラい盛り上がる。ならむらさんは『惑星ピスタチオ』が大好きなんだそうだ。特に、膨大な説明科白を駆使して場面描写や登場人物の心情を表現する『パワーマイム』(Wikipediaより)が。良いなあ力技。

蕎麦屋でしこたま話をして、挨拶をしてPANDAさん、ならむらさんと別れた。2日間、本当にお世話になりました。このお礼はいずれ。天谷君は20時の新幹線、僕は0時の夜行バスで京都へ戻る予定なので、ついでやから観光していこうやと歩き出した。ここから近い場所と言えば、えーと、浅草か。雷門くらい行くのがベタでええんじゃない?

しくじった。とんでもない人出だ。平日やから大した事ないやろ、と思ってたら、マトモに動くのも大変なくらいの観光客が。着替えとPC、2つのカバンを抱えた僕、死にそうになる。

そういや、浅草に来たのも10年振りか。当時ここの並びに、日の丸鉢巻きを締めた個性的なマネキンがあってねえ…と話をしてたら、まだあった。いや、パワーアップしてる。当時は2体だった記憶が。良く見たら、右の奥にも『禅』って書かれた鉢巻締めてるマネキンがあるぞ。嫌いじゃない。

周りを見ながら、常香炉の煙を貰う天谷君。「これで頭が良くなるの?」、いや僕には何とも。その後、アツアツの揚げ饅頭を頂きホクホクになる。良いね、観光してるね。オッサン二人が平日に。ここでオトンから入電、オカンの足の手術は無事に終わったらしい。これで全ての心配事が無くなった。

浅草観光も終わり、さて、まだ時間がある。どうすっかと話し合った結果、一旦東京駅に戻って荷物を預けてから東京タワーに行こうという事になった。丁度夜景も観られそうやし、東京駅からも近いし、歩いて行けそうやし。と、これ、最後の1つだけ間違ってた。東京駅で「東京タワー行きたいんですけど、どっちに歩いたら良いですか?」と聞いて、引かれた。歩いて5分くらいやと思ってたんやけども。いやー、バスが出てて助かったわ。

この旅で一番の景色は、一番最後に現れた。タワーの上ではなく、足元。あまりの美しさに二人で呆ける。我に返って急いでカメラを取り出し、バッシャバッシャ撮影。三脚が無くても何とかなって嬉しい。いずれスカイツリーも多くの人に愛されるシンボルとなるだろうが、創業前の今は、まだこちらのほうが格上だ。良いものを見せて貰った。上のほうでも写真を撮ったんだけども、窓ガラスの反射や曇りで綺麗じゃなかったので割愛。展望台の窓辺に点字表記がある事を見つけた天谷君が、「これ…!」と驚いていた。数瞬してから意味が解り、僕も驚いた。

写真は謎のホラーシアターを覗く天谷君。

その後、近場で一緒に飯を食って旅の総括をし、東京駅にて天谷君と別れる。地元の友達と、東京で会って、東京にて別れる。それがたまらなく面白かった。この二日間、心底楽しかった。こんな楽しい目に遭えるなんて思いもせんかったよ。無茶なスケジュールやったけど、来て良かった。全部天谷君のお陰です、感謝してます。ほんなら、また京都で。

夜行バスに乗る為、重い荷物を抱えて新宿・代々木駅へ。出発の0時までは、まだかなり時間が残っている。そういや母校の東京校が新宿にあったよな、とそれを探しに歩きはじめた。この時、何故僕は荷物をロッカーに預けなかったのか。校舎が見当たらず、1時間以上かけて新宿駅を一周するハメに。足は棒のよう、肩は千切れそうになっていた。

何とか学校を見つけて、再び代々木に帰って来るも途中で動けなくなり、たまらずネットカフェに避難した。個室に入って椅子に座り、しばらく目を閉じる。

間もなく旅が終わる。終わってしまう。

沢山撮り貯めた写真を見ながら、TLを見ながら、まとめを読みながら。最初から最後まで、噛み締める様にしてこの旅を振り返った。こんな経験、もう二度と出来ないんじゃないだろうか。強烈な寂しさが襲い掛かってきた。この瞬間が、一番辛い。でも、きっとまた彼らが面白い目に遭わせてくれる筈だ。今回以上の、もっととんでもない面白い目に。僕も頑張らないと。

さようなら、東京。また会う日まで。

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