何となく体調が良いのと、何となく自分が許せないのとが混ざり合い、高校時分に毎日走っていたランニングコースを走破した。キョリ測で調べてみたら、6.5km、カロリー消費量は627kcalと出たが、このコースはとんでもく高低差があるので、もっと消費していると思う。山の斜面にあるかのような住宅街を目指して走るのだ。
途中までどうと言う事は無かったが、折り返し地点に当たる住宅街に差し掛かって倒れそうになった。地元でもこの住宅街は有名で、別名『天界』と呼ばれた事もある。ここへ住んでいる友人に会いに行くには、相当の覚悟が必要だった。どういう訳か、住宅街の中腹辺りで更に傾斜角が上がる鬼仕様なのだが、住んでいる友人達は自転車でガンガン登る。非日常的な光景が、そこにはあった(余談だが、この坂を知らない人を麓に連れて行った時の反応が楽しい)。
僕とスーパーのKがこの坂にチャレンジしたのは高校1年の頃。体力が有り余って仕方なかった僕たちは、冗談半分にあの坂を征服しようとランニングを開始した。徐々に距離を伸ばし、1ヶ月ほどして本当にチャレンジ。登りきった時の事は今でもよく覚えている。街を一望出来る頂上からの景色は最高だった。以降雨の日も雪の日も、あの坂を駆け上ったものだ。この影響で、学内・部活の記録を幾つか残した事もあった。
あれから15年。あの頃ほどの体力は無いが、根性だけは当時よりついたと思う。足も呼吸も相当乱れたのだが、意地だけで坂を駆け上がり、久しぶりに街を一望した。
当時40分を切る勢いで走ったこのコースも、今日は45分。ただ、最後に50mダッシュ出来るほどの余力はあったので、今の自分もまんざらではないなと思った。
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