- 2014-03-09 (日) 0:45
- 日常
さて、ここまで沢山のレポートを書いてきた訳だが、何となくBitSummit MMXIVの雰囲気を掴んで貰えただろうか。ステージイベントや企業ブースについては各メディアでもかなり詳しく報じられており、既に僕が書くネタもほとんど無いので少しだけ。Q-gamesさん、伊藤さん( @anatelio )、本当にお疲れ様でした。BitSummit開場直前まで制作していたという『Nom Nom Galaxy』のPV、笑わせて貰いました。余談ですが上記の写真の中に僕が思いっきり写ってます。さて、何処でしょう。Nom Nom Galaxy!
#BitSummit 2014 starts tomorrow! See what we've been up to since arriving in Japan: http://t.co/KEytFV5Rc5 pic.twitter.com/9O2QVGPAfY
— The Behemoth (@thebehemoth) 2014, 3月 6
また、サンディエゴからやって来たThe BehemothのAnnaさん( @TheAnnaTheRed )、Meganさん( @KomatsuMegan )、表彰式ではお世話になりました。日米インディー文化の差異話、メッチャ面白かったです。もっと早くに出会ってお話を伺いたかったなあ。
7時間×3日間、いや、準備も入れれば4日間か。恐らくみんな、宿に戻るたび倒れ込んでいただろう。第2回目となるBitSummit。小野口さんが用意してくれたフィードバックページにもある通り、今回も様々な問題点があった。事前告知の遅れ、公式サイトの機能不全、会場音響と照明の問題などなど…やきもきした参加者も多かった筈だ。正直、僕も開幕するまでは首を捻り続け、去年抱えていた問題がちゃんと解消されるのか不安だった。
だが、蓋を開けてみればこの通り。今年のBitSummitは大盛況となった。主催者発表では3日間の入場者数は約5,000人。上記のような問題点はあれど、満足度は高い。昨年のTGSより参加チームは2倍以上多いし、何より「僕らのオリジナルゲームを遊びに来てくれた」感が強く、メチャクチャ楽しかった。東京で開催してほしいという方には申し訳ないけども、「自分のゲームを遊んで貰うためにわざわざ京都まで行く」くらい本気の人たちが集まったと思っている。実際参加したチームはみんなガチで、3日間全力を出し尽くしていた。
また、幅広い客層に来場して貰えたのも良かった。ゲーム文化が根ざしている地域で開催していれば、客層はもっとコアなほうに偏ったんじゃないだろうか。広く知って貰う、広く遊んで貰うという意味合いで、京都という場所は最適だったように思う。観光地でもあるしね。ただ、イベントの趣旨がちゃんと伝わってたかどうかは解らない。単なる変わったゲームのイベントだと思われていたかもしれない。この辺りは、来年の課題になるだろう。
忘れちゃいけないボランティアの存在。京都コンピュータ学院の学生さんたちが数十人体制で参加者のフォローをしてくれた。「手伝いをしつつ遊んでも良いし、開発者さんと交流して良いよ!」というのが功を奏したようで、彼らのお陰で盛り上がりが生まれた事もしばしば。イベント自体を楽しんで貰えたようで、参加者とWin-Winな関係になっていた。京コンの学生さん、有難う。来年は是非、参加者としても帰って来て下さい!
もう一つ、京都府さんの存在の大きさ。広報面において無類の強さを発揮し、交通局の吊り広告に出るわNHKに出るわ京都新聞に出るわの大騒ぎになった。ゲームに全く興味の無い複数の友人から、「今度みやこめっせで何かゲームのイベントやるらしいな」なんて言われたくらいの告知力だ。昨年に比べて規模が大きくなったのも、京都府さん(KYOTO CMEXさん)の力による所が大きい。勿論、スポンサーになってくれた沢山の企業さんの力もある。作り手だけでは絶対に成り立たないイベントだった。
逆に気になったのは、海外メディアの少なさ。昨年開催されたBitSummitでは、会場に入りきらないくらいの海外メディア(想定していた数の倍だったとの噂)が来場したんだけれども、今年は明らかに数が減っていた。昨年の苦い経験(と敢えて書く)もあって、「わざわざ日本まで行って取材するほどでもない」という判断を下されたのかもしれない。今年の盛り上がり、是非体験して貰いたかった。来年にはまた数多くの海外メディアが来てくれる事を願ってます。
さて、結局BitSummitって何だったんだろうか。概要としてはイントロダクションに書いた通りなんだけども、実際は「超ハイレベルな文化祭」だったと皆さんが口にしていた。出来るだけ縛りを設けず、面白い事はどんどんやって貰おうという方針もあって、何をやらかすか、また何が飛び出すかワクワクしていた各チーム。それでいて、どのチームも同じ『インディー』という境遇であり、同じ苦労をしてきているという一体感のようなものもあった。なるほど、インディーゲームという学校の文化祭か。イベント中にふと懐かしさを感じたのは、そう言う事なのかもしれない。
もちろん規模や予算はチームによってマチマチだけれども、様々なバックボーンを持つ開発者たちが横一線に並んで「どうよウチのゲーム!?」とやっている光景は痛快だ。フリーソフト出身、同人出身、コンシューマ出身、アーケード出身、PCゲーム出身、学生、サンデープログラマ、留学生、海外の開発者、そして伝説の投稿者までいる。こんな豪華なメンバーの巨大文化祭を京都でやったってんだから、地元民としては言うこと無いですよ。
祭りのあと。お疲れ様でした。最高の三日間でした。 #BitSummit pic.twitter.com/bqDs1KCqnk
— Shuhei Miyazawa (@room_909) 2014, 3月 9
3日間、あの空気を共有出来て最高に幸せだった。エンディング前の舞台袖で、モンケンの飯田さんが「ああ、終ってしまう、終わってしまう…」と呟いていた気持ち、良く解ります。でも、これが『始まり』なんだと思います。ようやくインディーに、ちゃんとしたスポットライトが当たったんだから。
BitSummit MMXIVに参加した皆さん、運営や関係者の皆さん、ボランティアの皆さん、本当に有難うございました。また来年、全員がエゲつなくパワーアップした上で、是非この場所でお会いしましょう。
で、撤収も済ませて、僕らは身内だけでお疲れ様会をやろうと、四条河原町で集まって地球屋さんへお邪魔したんですよ。後はもう自分らだけでゆっくりしようやと。
そしたら、ViteiさんとFunktronic Labsが宴会やってました。ちょっと遅れて店内に入った僕、理解出来ずに立ち尽くす。何これ、偶然!?こんな事あるんか!?
もうそこから先はメチャクチャでしてね。更に遅れてやって来たならむらさん達も大笑い、もうどうにでもなれ状態のドンチャン騒ぎですよ。Viteiさんの赤がFunktronic Labsさんの黄色に侵食され、「日本語を勉強してるんですよ」というEさんにならむらさんが何故か関節技を教え、「全てのアメリカ人が騒がしい訳じゃないんですよ」とNさんが愚痴をこぼし、たまたま後から入店してきた見ず知らずの大学生まで巻き込み(ノリノリでウェーブも参加)、何が何だか解らない状態が3時間近く続きまして。最後の最後まで、奇跡的な出会いの連続だったBitSummit MMXIVでした。もう何処にも体力残ってねえぞ!また来年!
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