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2014-03-07

BitSummit MMXIV Media Dayの出会い

ここからは昨日の設営時と今日のメディアデイに出会ったゲーム・チームをご紹介。僕自身が熱心なレトロゲーマーなので、かなり偏りがありますがご了承を。このとんでもない腕章は、さとうさん( @Satohk1 )が用意してくれていました。出発2時間前に完成したそうです。貴重な時間を使って何してくれてるんですか。ちゃんとこれ付けて場内歩き回りましたよ。ああもう恥ずかスー。

まずはハチビッツ ファナティクスさん(C-07)の『1001 Spikes』。針山地獄とも言うべき迷宮内を突破していくアクションゲームで、エゲつないトラップ満載の死にゲーだ。本作はAban Hawkins & the 1000 SPIKESの続編なんだけども、導入部分が前作よりマイルドになっていて初心者でも安心。不安になるくらい安心。少し進んだらいつも通りなんだけども。

個人的な話で恐縮なんだけれども、作者のヲサ田サムさん( @wo60000 )は今回のBitSummitで絶対お会いしたい人の一人だった。だって、ハチビッツ ファナティクスさんですよ。僕らの学生時代からハイレベルなゲームネタ画像作ってる人ですよ。洞窟物語のウラガワにハイクオリティな絵を投稿してくれた人ですよ。あの『きよしの挑戦状』をツクール(!)で作った人ですよ。コンシューマ版洞窟物語と同じパブリッシャーという事で天谷君は何度も会った事があるらしいけど、どんだけ羨ましかったか。

昨日の設営中の話。たまたま近くで、1001 Spikesのポップを置いてあるブースを発見した。近づいて行くと、傍にいた男性から「ひょっとして、宮澤さんですか?」と声が。ヲサさんだった。おお、初めまして…って、何で僕のこと知ってるんですか!?「いや、カメラ持ってる背の高い人って聞いてたんで」と人懐っこい笑みを浮かべるヲサさん。「天谷君からも聞いてます、BumperBumpも遊ばせて貰ってますよ!」、ぎゃあ。あのヲサさんが、僕のゲームを遊んでる。もうこれ以上ない位に恐縮した。

聞けばヲサさん、本当は2人態勢で来る予定だったんだそうだけども、トラブルが発生して自分一人京都へやって来たそうだ。右も左も解らない状態との事だったので、出来る限りの情報をお教えしてサポートする事を約束する。3日間、頑張りましょう。

続いてはDot Warrior Gamesさん(B-01-b)の『BLOCK LEGEND』。レトロチックなアクションパズルRPGだ。現場では音まで聞こえなかったんだけれども、メチャクチャ良いチップチューンじゃないですかこれ。ゲームルールは単純明快、2つ以上くっついているブロックをタップして消す、これだけ。ただ、本作にはかなり色濃いRPG要素があり、レベルアップあり、買い物有り、モンスターとの戦闘有りで、どの場面でどのパネルを消すかの選択を迫られ続ける訳だ。

作者のAlivi Phuさん( @datponpon )はアメリカ出身で東京在住のソフトウェアエンジニアさん。「
日本のレトロゲームが大好きで、アメリカのゲームと日本のゲームを融合させたものを作りたかった」そうだ。BLOCK LEGENDは何と本日iOSにてリリース、Androidでも発売されているとの事。現在は英語表記のみなんだけども、「いずれは日本語でもリリースしたいですね、やっぱりドラクエみたいに平仮名だけが良いですか?」との拘りを見せたAliviさん。僕も平仮名オンリーが良いと思います。

この日、僕が触った中で一番グッと来たのがFunktronic labsさん(B-05)の『NOVA-111』。基本はターンベースのローグライクなんだけども、幾つかリアルタイムで動くキャラが居て、これらが絶妙のバランスで成り立っている。突如リアルタイム敵に囲まれ、急いで倒そうとしたらターンベースの強敵がハンパない勢いで肉薄というパニック具合はなかなかのもの。デザイン良し、音楽良し、世界観良し、ゲーム性良し。隙が無い。非常に良く練り込まれており、プレイしながら何度も唸らされた。現在もまだ作り続けているとの事で、リリースされたら間違いなく購入するゲームだ。

Funktronic labsさんは基本2人で、何人かのサポートメンバーが居るという小規模開発チームだ。全員京都在住の外国人だそうで、代表はEddie Leeさん( @eddietree )。そう、以前僕ら悪い大人が迷惑をかけてしまった、あのEddieさんだ。TGSにも参加されていたそうなんだけども、あの時にはお会いする事が出来なかった。まさかこんな形でお会いする事になろうとは。パンイチ腕章を見せ、謝りに謝る僕。Eddieさんもすぐ僕を解ってくれたらしく、「大丈夫よ、No problem!」と笑って許して下さった。他のメンバーさんにも腕章を見せ大笑い。ぼく汗びっしょり。おそろいのロゴ入り黄色Tシャツに黄色のハッピと、実にお祭り感たっぷりのチームです。

ひときわ異彩を放っていたのがRIKIさん(C-06)の『キラキラスターナイト』。以前動画で拝見した事があったんだけれども、まさか京都にまで来て頂けるとは。ご覧のとおり、ファミコン実機にオリジナルのROMが挿さっている(写真有難うございますtaigooooさん)。この時点でも若干ビビるのだが、ゲーム画面で更にビビる事に。僕が撮影したVineのビデオと、Youtubeに上げられている前バージョンのビデオ、大きく違う所があるんだけども解るだろうか。そう、地面を見てみると、今回のバージョンでは背景がラスタースクロールしているのだ。他にもスプライト64枚出して処理落ちしない(スプライトダブラーでは無かったそうです、失礼しました)、チラツキを最小限にまで抑え込むなど、見たことも無いような技術満載。どうなってんのこれ。

ハアハアしながら画面を見てたら、RIKIさん( @riki2riki )に声を掛けて頂いた。RIKIさん自身はプロの漫画家・イラストレーターで、ゲームが好きでチームを作り、こういった活動を続けられているそうだ(RIKIさんはグラフィック担当)。「ROM焼いたりもしたんですけど、これがなかなかコストがかかって…」なるほどガチですね。すぐ隣にはオリジナルハード(!)の格闘ゲームまで置いてある。これ、パッドMSXのやつじゃないですか!「いやー、このハードATARI規格なんですよ」爽やかな笑顔でサラッと言い放つRIKIさん。漫画家さん、ですよね…?

こちらはクアッドアローさんの『EF-12』。各地で話題をさらっている3D格闘MODだ。遊ぶだけでは無く、作る事も出来る非常にクオリティの高いソフトなんだけども、キャラコンテストを行ったら何故かカオス(かつハイクオリティ)なキャラばかりが集まる稀有(?)なソフトでもある。これが無料だって言うんだから恐ろしい。今回BitSummitでは、メッチャ強いボスキャラを3体引き連れて、『俺たちを倒してみろキャンペーン』を行っていた。これがまたアツくてですね。僕も事前にテストプレーヤーとして参加させて貰ってました。

ブースのほうにはクアッドアローの代表である小野口さん( @EF12project )と、悪い大人たちの縁で繋がったコッペリアさん( @doll_coppelia )が仁王立ちしていた。かつてPLAYISMさんの2周年パーティーで、足を使ってLa-Mulanaをクリアした、あのコッペリアさんである。新しい足コントローラを携えて、遠く石川からやって来たのだ。上記の寿司と彼のプレイは大いに耳目を集め、EF-12界隈は常に盛況だった。このあと彼とも対戦をしたんだけれども、その話はまた後日に。

そして現れましたMaruchuさん一派(B-04)。名古屋のHSPレジェンドMaruchuさん( @Maruchu )、ゲームジャマーのくるくるさん( @mkd214 )たちが集まっているテーブルだ。それぞれ先日開催されたGlobal Game Jam(通称GGJ・初顔合わせの人同士が48時間で1つのゲームを作る全世界同時開催のイベント)で作ったゲーム『TRIRIS』『Janken Tag!』を持ち込んでいる。同じくGGJに参加していた久野裕介さん( @YusukeHisano )、Hiroshi Ogawaさん( @hiropon808 )、matsudasuさん( @matsudasu )も一緒に参戦。すぐ隣のテーブルには樹さんが居られるんだけども、彼の紹介は後日しっかりさせて頂く。ここのメンバーとは、何かと色んな場所で顔を合わせているよなあ。

パズルゲーム大好きのMaruchuさん、イチオシはと聞くと「『EXITRIS』ですね、一番気に入ってます!」との事。さんざん『ぐっすんおよよ』と言われたそうな。あちらと違い、こちらはバンバン振り続けるブロックをマウスで並べるちょっとユニークなゲームだ。隣のテーブルのくるくるさんは会期中に結婚式があるそうで、「今日は正装で来ました!」とスマホ版JumpGun片手に良い笑顔。うむ、会場内で一番ジェントルマンに見える。

写真を撮影したのに掲載し損ねていたノベクタクルさん(A-10)、大変申し訳ございませんでした。ブースでは開発に4年の歳月を費やした珠玉のビジュアルノベル『ファタモルガーナの館』の英語版デモやノベルスフィア版デモを初公開。日本語版の売上を全てローカライズに回しているとの話だったけども、来ましたかついに!サミエルさんがしきりに「ファタモルはもっと評価されるべき」と言ってたけど、世界デビューすれば一気に…

代表であり、『レイトン教授VS逆転裁判』のゲームデザインも手掛けた縹けいかさん( @hanadakeika )とはPLAYISM2周年の時にお会いしてたんだけども、なかなかちゃんとお話する機会が無かったので良い機会になった。「よく間違われるんですが私はシナリオライターで、絵は彼なんですよ」と靄太郎さん( @moyataro3 )を紹介して頂く。更に劇中歌を歌われているがおさん( @GaoAquila )まで居られ、「普段みんなバラバラの所で引き籠ってるから、これだけ集まるのはレアなんです」と縹さん。チームの皆さんはみな『この世は腐った水の底』Tシャツを着用していた。何となく『水曜どうでしょう』を思い出しますねと話すとバカ受けしてくれた皆さん。スイマセン要らんこと言いました。

今日は体力が尽きたのでここまで。少し見てはロビーで休憩、少し見てはロビーで休憩を繰り返し、何とか最後まで参加出来たけども、taigooooさんに支えられる形で帰宅、21時には床に就き、泥のように眠った。今日回れなかった分は、明日から一気に取り戻す。

BitSummit MMXIV Media Dayの安堵

大袈裟でも何でもなく、起き上がるのがやっとの状態。取り敢えずPANDAさんに入電、相当ヤバいけど何とかして顔出しますとだけ伝える。幸い僕以外のメンバーはみな元気だった。じゃあ一体何で僕だけ。何にせよ、僕が居ない=カメラマンが居ない(PANDAさんはカメラを持ってきていない)という事になってしまうので、這うようにして家を出る。液体以外を口にすると吐くという極限状態。ポカリスエットとウィダーinゼリーだけ購入して、開場ギリギリで何とか会場へ到達した。何もしていないのに、息が切れる。

パスを貰って中へ足を踏み入れると、そこは薄暗いクラブのような、しかしそれでいてゲームの熱気溢れる空間になっていた。各ブースやテーブルは全てスポットで照らされ、スモークのようなものが焚かれている。遠方に居るまゆまろを撮影したら、ハッキリ写り込む程度にスモーキーだ。この記事の画像は全て明るめだけれども、これはフラッシュとPhotoshopの力です。ホントはもっと薄暗いです。

驚いたのは各チームが用意したポップやディスプレイの力強さだった。巨大なモニターを複数持ち込んだり、ポップスタンドも巨大な吊り下げ等を用意していたりと企業ブース顔負け。特に感心したのが上記写真の飛翔システムさん(A-04-b)。「何だよ、何処もかしこもガチ過ぎんじゃねえか!」と狼狽するPANDAさん。

いやはやこれは予想外だった。右も左も、新作や最新バージョンのゲームが溢れかえっているじゃないか。地元から、関東から、地方から、海外から。大手と言われるチームも、個人のチームも、持てる力を全てここにぶつけているのが解る。出展者も遊ぶ側も、みんな目を爛々とさせている。どんどんお客さんが入ってくるけども、通路は十分な広さがありふさがる事はない。いける、今年のBitSummitはいける。あちこち歩き回り安堵した僕は、一旦ロビーへ出てベンチに座り込み、そのまま動けなくなってしまった。

恐らく国内最大の、インディー開発者たちのお祭りであるBitSummit。初めての開催となった昨年は、運営側も参加者も勝手が解らず、また会場のレイアウト等に難があったために全体的に消化不良のまま終わってしまった。だからこそ今回は、という思いを持っていた人も多かっただろう。僕もその一人で、宿情報を流したり場内地図を作ったり、出来る事は何でも手伝わせて貰った。蓋を開けてみるまでは不安だったけれども、運営の皆さんの努力と参加している皆さんの情熱で会場は凄い盛り上がりになっている。良かった。本当に良かった。

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