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BitSummit MMXIV ゲームという名の巨大な渦

  • 2014-03-09 (日) 0:40
  • 日常

この3日間、沢山のゲームに出会えて最高に幸せだったんだけども、それと同じくらい幸せだったのは様々な出会いや交流を見届けられた事だった。知らない人同士が、憧れだった人が、作る人が、遊ぶ人が、最新の技術が、最古の技術が、国籍も人種も関係無く『ゲーム』で繋がっていく。これが興奮せずに居られるか。上記の写真は、Metanet Softwareさんのブースで話し込むFunktronic LabsさんとCuBeatさんだ。

まずは王の巣窟のキングさん( @king_75 )とtaigooooさん( @taigoooo )。DIYの達人であるtaigooooさんが「何かBitsummitに持って行きたいなあ」とミニ駄菓子屋筐体を作ったのが始まりで、会期中それを知ったキングさんが打診、設置と相成った。「誰かのネタになれば良いなと思ってね」とアテもなく制作し、神奈川から運んできたtaigooooさん。見事に実を結んだ。

カラーリングも含めて、恐ろしくマッチしている。先日まではテーブルの上にノートPCを置くだけの簡素なブースだったが、今日は遠目から見てもインパクト抜群。顔を出すたび居るわ居るわ、お客さんが一杯だ。特に女性人気が高く、通りがかったPANDAさん( @shoji_nakamura )が「あァ!?」だの「チッ」だの解りやすく嫉妬していた。筐体にマッチするオリジナル版をチョイスした為か、肝心の新作『ROKKO CHAN 3D』が霞んで…

続いては先日も紹介したピコリンネソフトさん( @picorinne_soft )。あまりの80年代っぷりに恐れおののいた『INFINOS2』。僕がtaigooooさんに勧め、taigooooさんがNIGOROの開発陣に勧め、上記のような結果に。オールドスクールにとことん厳しいサミエルさん( @Samieru_NIGORO )が、「これ良いわ、ちゃんと解ってる」と絶賛していたのだ。勿論細かい部分でこうしたほうが良いという指摘もあったけど、BitSummitが終わった後も「あれは良かった…」と繰り返し呟いていたのが印象的だった。どうやらこの後、ZUNさん( @korindo )も遊びに来られたようで。BitSummit主催者のJames Mielkeさん( @jamesmielke )も上記の通り大喜び。ピコリンネソフトさんには、どうかこのスタイルを貫いていって欲しい。

こちらも先日紹介したPixelCrusadersのIoさん( @wizards_io )。先日帰宅してから気が付いたんだけども、このゲームのサウンドをやってるのが『夢大陸アドベンチャー』のアレンジを公開しているGryzor87さん( @Gryzor87 )だった。今日再びIoさんの元を訪ね、Gryzor87さんの事を尋ねたら「ああ、仲の良い友人だよ!」と笑顔。僕がMSXバカで、彼のアレンジの大ファンですと伝えると、「ホントに!?MSX良いよね!欧州に来る予定はある?遊びに来なよ、彼を紹介するよ!」と大興奮。何だ、IoさんもMSX好きだったのか。BitSummit、MSXユーザだらけか!

話は更に広がっていく。よくみたら、椅子に座ってるのはKIDD GAMESの謝さんと、昨年のIndieStream会場へ向かうバスの中で一緒だった台湾のKEITAIさんじゃないか。今回、KEITAIさんは「新作が無いから、メディアとして来たんですよ」との事。ここにギリシャ、中国、台湾、日本という異色のグループが産まれる。謝さんもKEITAIさんもバイリンガル(英語・中国語・日本語)で、僕らの会話を手助けしてくれた。ようやくIoさんとマトモに会話出来るようになり、気になっていた質問をぶつける。Ioさん、日本語のポップは用意してこなかったんですか?

「いや、ちゃんと用意してたんだけどね…今、アフリカにあるんだ…」

驚愕する僕ら。聞けば今回のポップやチラシは全て空輸で送ったそうなんだけれども、配送事故でアフリカに足止め。「3日後にお届け出来ます」と連絡があったそうだ。3日後って、丁度BitSummit終わっとるわ。気の毒過ぎる…「良いんだよ、今回こうやって、沢山友達が出来たからね!」、Ioさん、メッチャ良い人です。これも後で気付いたんだけども、Linkedinを見てみたら、Ioさんは拘りまくったオールドスクールゲームを作っているLocomalito gamesに在席していたそうだ。道理でGryzor87さんと仲が良い訳だ。

折角なのでもう一度宣伝しておこう。PixelCrusadersさんの『Wizards The Magical Concert』はiOS向けに$0.99で配信中。タップでタイミング良く花火を炸裂させるアクションゲームだ。打ちあがった花火はどんどん煙が短くなり、花火本体と煙が重なった瞬間にタップするとPERFECT。連鎖や連爆が気持ち良い。多種多様な花火と、いかにも洋ゲーらしい世界観を是非お楽しみあれ。

ARTIFACTSの樹ひかりさん( @ARTIFACTS777 )は、ウディタの生みの親であるSilverSecondのSmokingWOLFさん( @WO_LF )や『ファタモルガーナの館』のノベクタクルさん( @Novectacle )、記事を書いてくれた窓の杜の記者さんにも『マジックポーション・ストーリーズ』を体験して貰い、更には外国のお客さんにも遊んで貰えたようだ。樹さん大満足。

そうそう、ブースにはならむらさん( @naramura )もふらっとやってきまして。ウディタ製で面白い表現してるんですよと紹介すると、画面をジーッと見て「おお、これ良いなあ、見たことない表現だ」と興味津々。樹さんから詳しい説明を受けた上で「これ、パクって良い?」と聞いていた。ド直球過ぎます。

更に面白い事に、樹さんの手伝いに来てくれていた漫画描きのすぎむらさん( @tokiwa777 )も交流という名の渦に巻き込まれていた。神出鬼没のMaruchuさん( @Maruchu )、貴方はもう出会っただろうか。

BitSummitの中において、一番インパクトのあった人と言えばこの人、イタチョコシステムのラショウさん( @itachocosystems )。自身が26年振りに手掛けたゲーム『野犬のロデム』のロデムになりきり、ブース前でじっと座ってたり、寝転んだままピクリともしなかったり、差し出した手にお手をしたり。「ボコスカウォーズの作者さんです」と聞いて更に衝撃を受けた人も多かっただろう。以下にまとめがあるので、現場に居なかった人も是非衝撃を味わってほしい。

先日のポリポリ☆クラブ生放送でもお会いしたんだけども、ラショウさんは実に真摯で物腰柔らかな方で、プロの役者さんだなと感じさせられた。Macユーザで前作の『野犬ロデム』を遊んだ事のあるならむらさんは、「ラショウさんスゲーよ、伝説の人なのに身体張り過ぎだよ!」と恐れおののいていた。

そう言えば、クアッドアローさんの『EF-12』の手伝いに来ていた足プレーヤーのコッペリアさん( @doll_coppelia )も、小野口さん( @EF12project 通称・覇王)とはBitSummitで初対面なんだった。悪い大人たち経由でコッペリアさんの事を知った小野口さんが、twitter経由でヘッドハントしたのだ。結果、ブースは大盛況となり、コッペリアさんまでもが海外メディアに取材を受けるという超展開に。

その上、コッペリアさんは強い。「格ゲーは苦手なんですけど」と言いつつ、自慢の足でお客さんを葬り続けていく。じゃあ僕が土を付けてやろうじゃないのと対戦を申込み、あっさり敗戦。いや、これは使い慣れてないコントローラだから。僕いっつもキーボードだからと再戦を申込み、今度は辛勝。どうよ見たかキーボードの力!と、後ろを振り返ったら凄い人だかりが出来ていた。うわあ。格ゲー全盛期の対戦台時代でも、こんなギャラリーついた事無いぞ。足vsキーボードの対戦がこれほど耳目を集めるとは。時間を置いて決着を付ける第3戦を行ったんですが、結果は上記の4コマ通りで。握手を求めたら足を差し出してきたコッペリアさん。ガッチリ握ったら撮影されまくりました。おのれ覚えておれ、この借りは必ず。

一方その頃ブースの主である覇王はステージをジャックし、EF-12のBitSummit版特別デモンストレーションを行っていた。対戦相手はPLAYISMのジョシュさん( @BudokaiMR2 )、対戦前からこの有様である。何と覇王、イベント公式キャラであるBitRiderをEF-12に登場させてしまったのだ(「二日で作った!」覇王談)。試合の方は覇王が完勝、まあ創造主ですから…と思ったら、そこに主催者のMielkeさんがやって来た。

覇王、まさかの敗戦。後で話を聞いたら、「ガチだよ…」と悔しそうに笑っていた。恐るべしMielkeさん。ねぇ覇王どんな気持ち?ねぇどんな気持ち?とは口が裂けても言えない。ここにまた新たなリベンジの誓いが打ち立てられた。

最後は、僕の友人であるFochaさん。重光あさみさん( @achabox )、オオギシトモヒロ君( @azurefox13 )の二人による映像ユニットで、僕の日記にもたびたび出てくる巨大ショートケーキのGranewton( @_Granewton_ )主催者でもある。今回、BitSummit側で映像を撮れる人を探しているとの事で、僕が彼女らを巻き込んでしまったのだ。

正直、彼女らを巻き込んだ事を、僕はかなり気にしていた。無類のゲーム好きでTHE KING OF GAMESさんのモデルもやった事があるとはいえ、3日間という長丁場、100を超えるブースがある大規模なイベント、事前情報もあまり渡す事が出来ず、ぶっつけ本番に近い撮影。出来る範囲で、無理の無いようにやってくださいと繰り返し頭を下げ、イベント中も常に気に病んでいた。出来ればイベントを通じて、沢山のクリエイターさんと仲良くなって欲しい。そう願っていた。

杞憂。3日間、精力的に会場内を歩き回り、ゲームを遊び、目をキラキラさせながら「ホント楽しいです!」と言ってくれたFochaの二人。「重光が夢中になり過ぎて、しょっちゅう撮影の事忘れるんですよ」と苦笑するオオギシ君。

重光さんやオオギシ君の横に、ならむらさんやPANDAさん、PLAYISMさん、木村さんたちが立って談笑している。フランス人ゲーム記者のアンさん( @katsudon45 )ら撮影チームと技術談義しいてる。何だこの画、夢でも見てるのか。つい先日まで全く交わる事の無かった線が、こうも綺麗に交わるものなのか。いや、当たり前っちゃ当たり前なんだけども。これ、僕が繋いだのか。まるで実感が無い。

この写真を見た時、彼女らを呼んで良かったと心の底から思った。リスペクトを持って人と人とが繋がっていく、この面白さ。僕が見た範囲でもこんなに凄いのに、これが会場全体で起こりまくってたんだから今回のBitSummitは神憑ってる。そりゃ参加した人みんな良い顔して帰って行くよ。

夢のような三日間。BitSummit MMXIVはそろそろエンディングを迎えようとしていた。

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