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エースナンバー、最後の夏

  • 2014-07-23 (水) 0:30
  • 日常

教え子である陸上のMに誘われて、高校野球の京都府予選大会へ足を運んだ。ベスト4を決める準々決勝、残る8校のうち公立が何と6校。見たことの無い組み合わせばかりで、非常に良い番狂わせが起こっている。僕らが観たのは、第3試合だった。

僕は彼を知っている。1年半ほど前だったか、怪我から復帰したばかりだった彼。「今はまだ全然やけど、チームのエースになりたいんですよ」、爽やかな笑顔でそう話してくれた。その彼が、エースナンバーを背負って、夏のマウンドに立っている。成長したなあ。右のスリークォーターから投げ込まれる球を見て、ちょっとグッと来てしまった。

試合は相手チームのペースで進んだ。彼のチームもチャンスを作るんだけれども、良い所で内野手正面のライナーやゲッツーになってしまい、観客もやきもきしていた。毎回ランナーを背負うも、必死に堪える彼。だが残念な事にエラーなどが重なり、ジワジワと引き離されていく。

ようやくチャンスを迎えた8回裏、ノーアウト満塁という絶好の場面を迎える。相手のパスボールなどで2点をもぎ取り、なおノーアウト。相手のピッチャーも交代し、これはひょっとしたらひょっとするぞ、という所から3者連続凡退。惜しい、あまりにも惜しい。

9回表、6失点ながらも力投を続けていた彼。しかしここで連打を浴び、マウンドを降りる事になる。俯きながらベンチへ戻る彼を見て、出来れば最後まで投げさせてあげたかったな、と思った。結局この回、3点を奪われ、最後の攻撃を迎える事になる。

今までテレビや球場で色んな試合を見てきたけども、知り合いが関わっている試合、というのは初めてだった。それも、負けたら即引退という高校最後の夏。背負っているものの大きさが手に取るように解り、見ているだけで力が入った。ここまで来たなら甲子園まで行って欲しい、そう願っていた。

9対3。

陸上のMは泣いていた。高校時代、僕も体育会系に所属していたけれども、ここまで必死に頑張ってはいなかった。全力を出して、感情をさらけ出して、友人達に泣いて貰える彼の事が、純粋に羨ましい。僕もそうあるべきだった、そんな気持ちになった。3年間、本当にお疲れ様でした、Y君。

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