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『バレエ』のAちゃん

  • 2011-01-19 (水) 0:40
  • 日常

バレエのAちゃんが音の編集にやってきた。事前に電話があったのだが、「保冷剤あるかな」と質問された。首を傾げながら用意して待っていたら、恥骨を疲労骨折したAちゃんがやってきた。過去の経歴(衝突事故後の本番、腰が外れた1週間後に本番、足の甲を疲労骨折したまま本番、椎間板ヘルニアを患いながら本番、いずれも「感覚が狂うから」と一切の痛み止め無し)から言っても、彼女をクレイジーだと呼んで差し支えないと思う。

音のほうは割とすぐに完成し、デパ地下の餃子を2人で頂きながら色々話をした。どうやら今年の6月で、バレエを休止するらしい。「やりたい事は一通りやりつくしたし、次は家庭に力を入れたい」という事だった。正直な話、僕は安堵した。これで、Aちゃんが死ぬ事は無いだろうと。

常軌を逸するという言葉が生易しく聞こえるレベルでバレエに打ち込み続けたAちゃん。炊事洗濯家事をこなし、子供にバレエを教え、振り付けを考え、衣装を作り、全体練習をこなし、通し稽古をこなし、残った僅かな時間すら全力で個人練習をするAちゃん。1年間で休日と呼べる日は、恐らく片手で収まる。周りの人から「アンタ死ぬで」と何度言われたか解らない。そんな真似、誰が出来ると言うのか。

帰り際、「毎日寝る前と起きてすぐに筋トレすんねん、筋肉で骨をカバーせんと動けへんし」と言っていたAちゃん。同じセリフを、学生時代に空手家のバイト仲間から聞かされた記憶があるのだが。笑ったが、後で冷静に考えたら、少し悲しくなった。

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