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2010-02-03

『十角館の殺人』を読みました

結構怖いです。

僕が綾辻行人氏の小説と出遭ったのは高校生の頃で、最初に読んだのは「絶対面白いから頑張って読め」と同級生に渡された『殺人鬼』というスプラッタホラー小説だった。タイトルからしてヤバさ満々だが、中身は更にハードで、怖くて怖くて背中を壁に張り付けながら読み続けた記憶がある。

実はこの小説、書き出しに読者へ謎解きを促す表記があり、気付くかどうかを試しているのだが、僕は最終章までそれに気付くことが出来なかった。種明かしされた時、驚愕が恐怖を上回った。確かに面白いと思ったが、内容が内容だけにあまり人に勧めづらい本ではある。

あれから13年。刺激を求めて小説を探した結果、『十角館の殺人』に辿り着いた。実はこの本の存在自体は高校時代から知っていた。綾辻氏は『かまいたちの夜』の脚本家・我孫子武丸氏と同級生(京大推理小説研究会)で、かまいたちにハマった人向けに、ゲーム雑誌が「滅茶苦茶面白いから読んで」と紹介していたくらいだ。実際、何処の本屋に行っても必ず見かける、それくらい有名な本だった。ただ、僕には何となく敷居が高そうで、ずっと避けていたのだ。

だが、上記のスレを読んで、我慢が出来なくなった。どうしても読みたい、すぐにでも読みたい。先日、ついに近所の書店にて購入。2007年に改稿された新装版らしい。500ページくらいある。我が家に『殺人鬼』以来の綾辻行人氏がやってきた。願わくばグロくありませんように。

この本、終盤に出てくるたった1行が強烈な衝撃をもたらすらしい…そんな噂を様々な場所で聞いていた僕は、少し注意深く読み進めた。全てに気付いたら面白みが半減するが、少しの気付きなら方向性が合っていたと満足感を得られるだろう、いやでも案外カンタンに気付いちゃったりして…もう少し何も考えずに読んだほうが良いかなあ、等と思いながらページをめくる僕。

甘かった。予想だにしないシーンで、その1行はやってきた。

完全に不意を突かれて、えっ、と声を上げた。しばらく絶句して、何度も読み返してみた。ああああ、やられた、見事にやられた。僕の推理はかすりともしなかったと悔しんだ。それと同時にこういうやり方があるのか、と感動した。これ、是非読み終わった人と、自分がどう推理して見事にやられたかを語り合いたい。肩をバンバン叩きあいたい。ちょっと古い本だが、お勧めする。

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